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I'm home



任務から帰ってきて、三週間ぶりのホームの地を踏む。報告書は一緒に任務に言った神田くんに押し付けて、私はこんな時間でも仕事をしているであろう彼のもとに足を向ける。


「……頬に紙の跡つくわよ」


仕事していると思ったら、机につっぷして寝ていた。まぁ、ガリガリ仕事しているより寝ていてくれたほうが嬉しいけど、その体勢は辛くないだろうか。
色素が薄い綺麗な髪の毛を撫でる。顔を覗き込んだら、無精髭が増えていた。これは一週間は徹夜してる増え方だ。


「また、無茶して……」


リーバーの横に山積みにされている紙の中から、言語学系の紙を選別していく。言語学なら私も専攻していたから処理できる。ポケットからメガネケースを取り出して眼鏡をかける。


「……ん、名前?」
「あ、ごめんねリーバー、おこしちゃった?」


羽ペンを動かしだしたときにリーバーが起きてしまった。視線は書類からうつさずに声をだしたら、自分が思っていたより甘い声になってしまって、久しぶりで恥ずかしかった。


「任務、終わったのか?」
「うん。さっき帰ってきたの」
「おかえり……ってお前なんでそんなことやってんだ!」
「ただいま。だって、リーバー寝てたから、言語学のしかしてないから平気だよ。ね、てつだ」

わせて、
そう言おうとした唇は、少し掠れた唇によって塞がれた。一回目は触れるだけ、すぐに離れて行ってしまう。
眼鏡が外されて、散らかった机の上に置かれる。二回目のキスは、離れていたあいだを埋めるように、長く、深かった。息ができなくなりそうな頃、リーバーの胸板を軽く叩いて合図を送る。


「はっ、あ」
「……無事で、よかった」
「う、ん」


すっぽり、リーバーの腕の中に納まって深呼吸する。



私、今生きてる。





I'm home.
(班長!これハンコおねが……失礼しましたあああ!)
(……ジョニーに任す書類増やすか)





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