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キスマークつけたい




マルコのことは好きだ。マルコも私のことが好きだし、お互いがお互いを好きって知っているから今の関係に不満はまったくない。お互い強いから相手の心配をあまりしなくて済むし、同じ船に乗ってるから浮気の心配なんてない。だっていつも目の届く範囲にいるから。逆にそれが窮屈に感じたりうざったく感じることもない。だってむしろ束縛してほしいほどにお互い相手を愛しているから。

でも私には一つだけマルコに対して不満がある。



「………」
「……、こればっかりは仕方ねェだろうよい」


抱き着いて首筋に吸い付くけど、鬱血痕ができたそばから消えていく。戦闘中は拝み倒したいくらいありがたい彼の能力も、こんなときじゃ野暮以外の何物でもない。忌々しい。
キスマークをつけようにも、すぐに再生する。最中に背中を引っかこうにも、引っかいたそばから治ってしまう。
マルコは私のどこにでも痕を付けられるのに、なんだこの差は。


「ねえ、治さないことって、できないの?」
「……さあ?」


そういってマルコはとても悪い顔で笑った。腕をひっぱられて一緒にベットの上へダイブする。


「そんな積極的にされたら、俺も答えないといけないよい」
「いい!遠慮します!」
「俺に痕がつくまで、頑張ってみろよい」






キスマークつけたい
(見えるところには付けないでっていったでしょう!?)
(俺は別に構わねェよい)





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