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love bite



「名前は、おいしそうな匂いがします」

「は?」


学校が終わって、塾までの一時間をアマイモンと過ごしていたら、いきなりそんなことを言ってきた。アマイモンの目がきらめいた気がした。ヤバイ、これは食われる。そう思ってじりじり後ろに下がるけど、右足首を掴まれてそれ以上下がれなくなった。とりあえずパンツが見えないようにスカートを押さえる。


「おいしそうな匂いって……自分無臭だと思ってたんだけど」

「いいえ、バニラアイスみたいな匂いです」


掴まれていた右足首を引っ張られてアマイモンのほうに引きずられた。おいおい、乱暴だろう。若干苦笑いで私は少しチクチクする芝生の上に仰向けになった。やけに空が高くて、今更夏はもうとっくの昔に終わったんだと思った。


「聞いてますか?」

「あー、うん。聞いてる聞いてる」


私と高い空の間にアマイモンが割り込んでくる。やってることはよく分からないけど、いつでも自分に正直なところとか結構、好きだから、このまま食べられちゃってもいいかぁ。女の私よりもすべすべな頬に手を伸ばす。


「食べたいです」

「どうぞどうぞ。もう話せなくなるけどね」


悪戯っ子みたいに笑ったら、アマイモンは何とも複雑な表情をした。食べていいっていったじゃないか。すりすり、そのまま頬を撫で続けていたら、今度は手首を掴まれた。そのまま口に持っていかれて、指を噛まれる。全然痛くないけど、なぜか鳥肌が立った。


「話せなくなるのはイヤなので、これで我慢します」

「うん、私もそうしてほしいな」

「嬉しいですか?」

「嬉しい。これでいっぱい喋れるね」


そうにっこり笑って言ったら、唇を噛まれた。そんなに甘い匂いがするのか。
ガブガブ、まだ噛まれている。そういえば、猫は好きな人間噛むんだっけ?まるでアマイモンみたいだな。私のこと好きかどうかは知らないけど。
なんだかすごく幸せで、私はアマイモンの首に腕を回した。



love bite




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初めてのアマイモン夢なので、口調が違ったらすみません!
噛み癖がありそうですよね、アマイモンて。
沙依様、リクエストありがとうございました!

 


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