Je vous aime. | ナノ
昔慕っていた人が上司


清は俺が隊長を務める祓魔一番隊に所属になった。
長いこと京都を離れていたこともあってか、京都弁が抜けている清やったけど、数日一緒に働いてたらすっかりもとに戻っとった。

んで、清は仕事は早くて丁寧、祓魔の腕も確か、しかもかいらしいし明るいってことで、明陀以外の出張所の連中にもすぐに気に入られとった。

清が人気者で、俺は嬉しい反面、イライラ反面や。
なんでイライラかって?


「あ、志摩隊長!」


なんで俺だけこない他人行儀な呼び方なんやろか。
清が昔みたいに"柔兄"呼んでくれたんは、最初に会うた一回だけで、それからはずっとこんなんや。


「……志摩隊長??」

「あぁ、すまんすまん、どないした?」

「えっと、この書類とこの書類の、参考文献てありますか?」

「おー、……これなぁ、あるある」

「よかったぁ。ありがとうございます!それでは」

「ちょちょ、連れてくえ。付いてき」


でも……、と一瞬渋る表情を見せた清に少し寂しくなる。
昔は柔兄柔兄〜ゆうて後ろちょこちょこ付いてきて、めっちゃ頼りにしてくれとったのに、時って酷いもんやな。

じゃあ、お願いします。
清の若干の上目遣いにどっきどきしながら、書庫室まで歩く。

あれ、今思ったら、二人きりになるの初めてちゃうか?




 


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