Je vous aime. | ナノ
車の中で、




「地図いる思ってたら、カーナビついとったな」
「そうですねぇ、便利ですね、カーナビ」


こんなこと言ってるけど、カーナビが付いとることなんて知っとった。ただ、地図を読んでもらう口実で清に隣に座ってほしくて知らんふりした。ちなみに、このことに気づいてないのは清だけやろう。坊も廉造も子猫丸もなんやニヤニヤした顔で俺んこと見てたからな。


「みんな、寝ちゃいましたね」
「ん?あぁ、ほんまやなぁ。廉造涎垂らしとるし」


ミラーを少し傾けて後ろを見たら、子猫丸が坊にもたれかかって、廉造は腕組みしながらアホ面で寝とった。坊は意外と上品に寝てはる。


「昨日ほんまみんな宿題頑張ったんですよー!特に廉造くんが。坊と子猫丸は結構終わらせてたらしいんですけど、ねぇ」
「廉造はほんまどうしようもあらへんなぁ。あ、おおきにな、宿題見てもろて」
「いえいえ、楽しかったんで平気ですよー。こちらこそ、布団まで運んでいただいたようで……」
「気にせんでええで。つか清、軽すぎや。もっと食え」


昨日の夜運んだときの清の軽さを思い出す。廉造が小学生んときあんくらいやったか?まあ、そんくらい軽かった。子猫丸とおんなじくらいやったな。てことは、清も高い高いしてやれるな。……清に高い高い……。あかん、俺爆発する。よし、バーベキューんとき清にぎょうさん食べさせよう。


「食いませんよ。体重気にしてるんですもん」
「気にする必要ないやろ絶対」
「いいえぇ、気にするもんなんですよ〜」


後ろの席で寝る坊たちを起こさないように小声で話してたら、なんや内緒話してる気分になって、少し恥ずかしい。清と話してたら、空気がゆっくり流れてるみたいで、任務のストレスとか色んな黒いもんが吹っ飛んでくみたいや。癒される。



このまま目的地まで着かんかったらええのにと、ちょっと思った。




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