Je vous aime. | ナノ
基本怖がりなんです



あるところに女の子がおった。その子は生まれたときから病弱でな、めったに外に出れなかったんや。そんな女の子をかわいそうやと思ったその子のお母さんがある人形を作ってあげてん。その子もその人形のことえらい気に入って、いっつも持ち歩いてたんやけど、その子は結局病気が悪化して死んでもーてな。お母さんは悲しんで悲しんで、その子が持っとった人形を大切にしとったらしんやけど、ある日突然、その人形が動いてたんやって。お母さんはびっくりしてこの寺に持ってきたんや。でも時既に遅し。その人形にはたくさんの魍魎がとり憑いとって、しかも凶暴化しとった。今まではお経だけでどうにか押さえてた坊さんらも手に負えんようになってな。



「そんで俺ら祓魔師に回ってきたっちゅーことや。わかったか?今日の任務内容」

「おかしい、思ったんですよ……。いつもは任務内容なんて最初に言われるのに、今回は黙って任務や言って連れてきて……私がお化けとか怖いの知ってて黙ってたんですね!」

「ははは、堪忍なー。でも丁度手があいとる医工騎士が清しかおらんかったんや。それに、俺がついて来てやったろ?」


寺に着いてから近くにおった小坊主に案内してもらって、問題の人形が置いてある蔵に行く。
中からどんどん音がしている。音がするたびに隣におる清がビクッてしとる。

これが、今流行の萌えってやつなんやろか。


「祓魔師の方やろか?」


怖がる清の肩に腕を回そうとしたところで、寺の和尚さんが来た。きっと見られてへん。セーフやセーフ。
そうヒヤヒヤしながら振り向いたら、和尚さんはニヤニヤしとった。


「お邪魔やったかね?」

「いいえ全然!」


くそ、もうちょっとタイミング考えて声かけぇや。



 


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