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kiss off

「真子ちゃーん!おっはよぉ!今日もかわええなぁ」

「はいはい、じゃあバイバイ」

「そんなこと言わんと!一緒に学校行こうやぁ」

「いい。間に合ってます。結構です」


同じ塾生の志摩廉造くん。自他共に認めるチャラ男。なぜかしつこく私にまとわりついてくるやつ。正直、うざい。この間志摩が風邪って言って休んだときは静かでとても学校生活が楽だった。断じて心配になったとか、ちょっと寂しかったりなんて思ってない。思ってない。(大事なことなので二回言いました)

志摩は今私の横で鼻歌を歌いながら歩いている。なんで一緒に行くことになってるのさ、私はいいなんて言ってない!それより、無駄に鼻歌がうまいのが気に食わない……。


「真子ちゃん、眉間に皺寄っとるで?かいらしい顔が台無しやでー」

「うるさい!関係ないでしょ志摩には!」

「いいやぁ、関係あるえ?だって俺、真子ちゃんの笑った顔が大好きやからなぁ」

「っ!!」


隣を歩く私と目を合わせようと覗き込んできた志摩の顔が近くて、足が止まる。


「あ、そういえば、サビでkiss off!!って叫んでる曲あってんねんけど、あれどういう意味かわかる?」


俺の兄ちゃんバンドでボーカルしとってなぁ、とか言ってる志摩に英語の辞書と漢語の辞書が入っているスクールバックを投げつけて、走った。


「Kiss off!!!」

「えぇ、だからどういう意味なん真子ちゃん!!待ってやぁ〜」




Kiss off
(うせろ!)




 


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