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はじめてのおつかい
初めてのお使いパロ?
柔造の娘さん、お名前は咲ちゃん
基本会話文、柔造さんが親バカ
「ほな、いってくるねぇ〜」
「咲ちゃん気をつけるんよ?所長さんにお弁当持ってきましたってちゃんと言うんやで?」
「しょちょーさんに、おべんと、もってきましたぁ!」
「そうそう、よぉ出来ました!ほな、転ばんようにな」
「うん!ぱぱ、いってきますのちゅー」
咲を抱き上げてやると、俺の頬にちっこい手を添えて鼻にキスをしてきてくれた。なんこのこめっちゃかいらしい。
今日は3歳と7ヵ月になった娘の初めてのお使いの日や。内容はお父の弁当を出張所まで運ぶこと。うちから出張所までは鍵を使えば一瞬でつくけど、子供の足やと20分くらいはかかる。でも近所やから平気や思うけど、やっぱり心配は心配や。
俺に似たんか、たれ気味な目を見つめて、真面目な顔で言う。
「咲、知らん人にはついていったらあかんえ?」
「わかってる〜」
「飴ちゃんあげる言われてもやで?」
「わかってる〜」
「うさぎさんでもあかんで!」
「もー、ぱぱうるさいー」
咲はそう言って俺の腕の中からまるで木登りみたいに俺からずり降りていった。咲はお父の弁当が入った紙袋を持って振り返らずにタタタッと走って行った。
家の玄関に残ったんは俺と真子の二人だけ。
「あああ!行ってしもーた!誘拐されたらどないしよ!」
「柔造さん、出張所までは何度も行ってるから、平気やって」
「せやかて、あないにかいらしいんで!?あああ心配や!」
俺と真子は玄関で咲の帰りを待つことになっとった。でも俺は無意識のうちに広い玄関を行ったり来たりしとったらしく、真子が腕を掴んで止めるまで気づかんかった。
苦笑いをした真子が俺の顔を覗き込む。
「そないに心配なら、後つけます?」
「………、そうしよか」
僧衣では目立つと思い、ダッシュで家の中に入って僧衣を脱ぎ捨て、ジーンズをはいてTシャツを掴んで玄関に戻る。
焦らんでも咲を見失うことはないと思うが、一刻も早く我が子の姿を視界に入れたい。
「ほな行こか」
「行こかじゃないですよ!上着てください上!」
「急いどったから堪忍な、はよ」
はじめてのおつかい1
続きます