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メリーゴーランド



久しぶりに柔造と休みが被った。
といっても、柔造は午後から休みだから、半日しか一緒にいれない。
それでも最近は一緒に居られる時間が少なかったから、すごく嬉しい。

久しぶりのデートだから服は昨日から選んだ。
少し前柔造がくれたシフォンの小花柄のワンピースを着て、髪の毛を少し内巻きにして、仕上げにマニキュアを塗る。
準備をし始めたのは10時頃だったけど、気づいたらもう12時近かった。

急いでペディキュアを塗ろうとソファに座って片足を上げる。

ピーンポーン

そこでインターフォンが鳴った。
マンション備え付けのカメラにはニコニコ笑って手を振っている柔造が映った。


「柔造!?もう仕事終わったん?1時頃言ってたやん!」

『愛しの真子のために早く終わらせて来たんやないか。はよ開けてや〜、暑いねん外』


本当は完璧にかわいくしてから会いたかったけれど来ちゃったものは仕方ない。私はマンションの入り口のロックをはずした。
うちのマンションは中々大きいし、私の部屋はエレベーターから遠いから柔造がここまで来るには多分三分くらいかかる。
三分、ペディキュアはラインストーンとか付けんから、ぎりぎり、私ならいける!
手早く塗り始めた。多少雑になっても、どうせ足だし、色が付いておけばいいやととりあえず塗った。
左足が終わってあと右足、ってところで、ガチャガチャ、鍵が開く音が聞こえた。


「早ない!?柔造!あそこからここまで来るのに三分はかかるはずやで!」

「エレベーターやとな。俺の場合階段のほうが早いんや。なんでそない焦っとん?」

「うう、いま、ペディキュア塗っとってん……」

「そないな事かいな。え、それでなんで焦るん?」

「………」


恥ずかしくて理由を話さない私に痺れを切らしたのか、柔造が私のほっぺたを両手で挟んだ。ぷえ、変な声が出た。


「ぶはっ、何やその声」

「はなひへー」

「理由言うなら離したるぞ」

「いう!」

「ほな離したる。……で、なんで焦ってたんや?」

「………、かわいくして、会いたかったから」


私の言葉に少し驚いた顔をした柔造は、次の瞬間にはでれっでれににやけた顔になってた。そうか〜、かいらしな〜。腕組みをして何度も頷いている。何やの。


「ペディキュア塗りかけやん、俺が塗ったるわ。貸してみ」


私はソファに座ったまま、柔造が足元でしゃがんだ。右足を取られて、爪が綺麗に彩られていく。


「暴れなや真子」

「だって恥ずかしい!」

「我慢し。………」

「出来た?」

「出来たで」

「ほな離してや!」

「……真子足綺麗やなぁ」


離してと叫ぶ私なんてお構いなしで、あろうことか柔造は私の足を持ち上げて、足の甲を舐めらた。
うわああああああ!何してんの!?
反射で柔造を蹴ろうとしたけど、しっかり足首を掴まれた。しかも両足とも。ふくらはぎ、ひざ、ふともも、往復するように舌が行ったり来たりする感覚に、背筋がぞわぞわした。


「真子、俺があげた服、着てくれたんやな」

「んっ、あ、あたりまえ、やん」

「男が女に服やるんは、脱がしたいからなんやで」


はぃ!?
気づいたら、私の視界に入るのは天井と柔造だけやった。今度は首筋を舐められる。


「じゅ、ぞ!出かけるん、ちゃう、の?」

「いやな、爪塗っとったら、ムラムラしてきてん。夜食いにつれてったるさかい、堪忍な」

「ふぁ、も、絶対、やからね」

「おん、約束や」


ここにきたときと同じいい笑顔をして、柔造は深い深いキスをくれた。



メリーゴーランド




 


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