log | ナノ
自覚しない恋心は



祓魔師の仕事が一段落ついて久しぶりに京都に帰ったら、たまたま3つ年下の廉造も帰ってきていた。


「あら、廉造、帰ってきてたん」
「真子さんも、帰ってはったんですね〜」


前に会ったときは真っ黒だった髪の毛が、ピンクに近い茶色に染められていた。あはは、チャラくなりおってー、と背伸びをして頭をくしゃくしゃと撫でてやると、廉造は少しすねたような顔をした。

「俺もう子供ちゃいますよー!子供扱いせんといてください」
「えー、廉造、まだ子供やん」


でも撫でられるのは嫌じゃないらしく、私の手を振り払おうとはしない。私が撫でやすいように俯いて頭を差し出してくれる姿に愛しさが増す。ほんとかわいいなぁ。ずっとなで続けていると、廉造がいきなりぱっと顔をあげ、私の腕を掴んだ。行きなりの行動にびっくりして私は目を見開く。


「ど、どしたん、れんぞ?」
「せやから、子供扱いせんでくださいって。頭撫でられるんはえらい嬉しいですけど。……俺、真子さんが思ってはるほど、ガキじゃありまへんえ?」


そのことを私に示すように、手首をつかむ廉造の力が強まった。いつものへらへらした表情は、今は見せてくれない。

いやいや、いけんて、いかんてこれは。

「あんまし俺のこと、なめん方がええですよ?」


ぐっ、廉造の顔が近づいてきた。キス、されると思って思いっきり目を瞑る。この短時間ですごい目の運動してんなぁ。でも、私の予想に反して唇には何も触れず、代わりに廉造に思いっきり抱き締められた。


「え、ちょ、廉造、ここ廊下」
「あー、もうっ、真子さんがあかんのですよ!?ひっさしぶりに会うてこっちは色々我慢してたのに、ずっと頭撫で続けるから!びっくりした顔もかいらしすぎですわ!俺をどうしたいんですかぁ!!」


急にいつも通りになった廉造に私が慌てる。あれ、いつも通りやん。


「とりあえず!俺かてもう立派な男や!それ、よー覚えとってくださいね!じゃあ、俺兄貴らに呼ばれてんので、また後で!!」


そう捲し立てて廉造は廊下を走っていった。あ、私も八百造さんに呼ばれてるんやった。にしても、真顔の廉造、



「かっこよすぎやろ……!」




自覚しない恋心は、如何せん




(真子さん、頼むから俺に落ちてくれ!)







青エクの連載したいな
志摩くん落ちで書きたいな

 


「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -