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幸せに泣いた日曜日

銀さんの嫁に来るか、銀さんの奥さんになってください。


そうやって所謂プロポーズをされて、ハンコを大事な紙に押した。銀さんの手が震えていて、ハンコを上手く押せずに困っていたから、私が銀さんの手のひらの上に自分の手のひらを乗せて一緒に押してあげた。私がハンコを押すときは立場が逆転していた。
赤々とくっきり押されたハンコが2つ。銀さんはその紙を両手で顔の前に持っていき、よし、と一言呟いて、紙を大切そうに机の上に置いて私を抱き締めた。


大好きな銀さんと、夫婦。
大好きな銀さんが、私の旦那さん。


自分の頬がゆるゆる締まりを失っていく。
銀さんは私を抱き締めていた腕をはなし、キスをするような距離で私を見つめてきた。鼻と鼻がふれ合う。


「これで、家族、だな」
「うん。私が、銀さんの家族だよ」
「もっと幸せにしてやる」
「銀さんの隣に居れたら、それだけで私は幸せだよ」


言い終わるか終わらないかのうちに唇が銀さんのそれで塞がれた。涙が出るほどの幸せを、私は今体感している。

どうかこの手を離さないで。




幸せになく





 


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