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イチゴキャンディー



パン

机に伏せていた私の頭に軽い衝撃が走った。ゆっくり顔を上げれば、呆れた顔で私を見下ろす、銀八の顔。

「お前ね、他の教科では優等生なのに、俺の授業だけなんで寝るかね」
「おはよう、銀八」
「おはようじゃねェよ。ったく。他の奴ら弁当みんなで食うとかつって外行ったぞ」
「あーー……、そうなんだ」


携帯を見ると、気持ちよさそうに寝ているから、起きたら中庭に来てくれという内容のメールが神楽ちゃんとお妙ちゃんから来ていた。
少し迷って、返信を打たずに携帯を閉じた。


「あれ、行かねェの?」
「ん……」


私の隣の席に横向きに座っている銀八の首筋に腕を回して抱きついた。甘いキャンディーの香りと、太陽の匂いがする、銀八の匂い。


「あー、落ち着く」
「お前、寝ぼけてる?ちょーカワイんだけど、俺学校つっても我慢できなくなんだけど」
「んー………、すき。キスして」


しかたねえなァ。

白衣に突っ込んでいた右手が私の頭の後ろを捕らえて、引き寄せた。
唇が触れ合う瞬間、気だるそうな銀八の目が一瞬だけきらめいた気がした。


イチゴ味のキスに幸せを感じた、午後12時30分。



candy



 


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