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土曜日の夜、2人でテレビを見ながら買い溜めておいたお菓子を食べる。佐助はコーラ、私はオレンジジュースを飲みながらただぐだぐだと、何もすることなくだらけているこの時間が一週間で一番幸せな瞬間だと思う。この時間のために私は一週間頑張っていると行っても過言ではない。


「幸せだねぇ」


佐助が急にそう呟いた。同じタイミングで同じことを考えていたことにとてつもない幸福感を感じた。世界で一番幸せなのは自分だ、と大声で叫びたいくらいだ。佐助に抱きついて、(正確には飛びついて)胸板に頬を摺り寄せた。佐助が使っている香水の香りが微かにした。私の背中に佐助の腕が回り、抱きしめ返される。好きだよ、呟いた声は自分で思っていた以上に小さくて、それでも聞き取って俺様は愛してるよ、なんて佐助は返してくれた。


何分くらいそうしていただろう、最低でも五分は抱きしめあっていた。しかも2人とも無言で。さすがにそろそろ体勢的にキツくなっていたので、少し佐助の胸を押して離してもらう様にしてみたが、佐助の腕は一向に私を話す気配を見せない。どうしたの?


「あーー……、うん、今だよね。よし、……真子ちゃん」
「うん、なに?改まって」


私を放さないまま佐助はぶつぶつ言い出し、決心したように私を抱きしめる力を強くした。まるで逃がさないとでも言うように。

佐助は私にささやくように言った。



「俺様のお嫁さんになって。おいしいご飯作ってあげるし、真子ちゃんが寂しいとき絶対一緒にいてあげる。……俺と、家族になってください」



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