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sorrowful
※若干グロ 注意
目の前にいる天人の首が飛んだ。一瞬遅れて血が噴出す。視界が真っ赤に染まる。いつまでこんなことを続けるんだろう。首をなくした天人はふらり、一歩私のほうへ足を踏み出し、倒れた。
「……銀時」
倒れた天人の向こう側には目を吊り上げて怒っている銀時がいた。なんで、そんなに怒ってるの?私はおどけるようにへらり、馬鹿げた作り笑いを浮かべた。銀時の顔にますます怒りが浮かび出た。
「な、にやってんだ馬鹿野郎!!」
「いや、……なにも?」
「何もじゃねぇだろ!なんで斬らなかった!」
ばれてたのか、私の顔から貼り付けた笑顔が消えた。
もうそろそろ死んでもいい頃かと思った。もうどれだけの天人を切ったか分からない。もうどれだけの仲間が死んでいったかも分からない。そろそろ自分の番じゃないのかと、なんで私は生きているんだろうって。
つまりは、疲れたのだ。この世界に、この状況に。
「つかれた」
「は?」
「つかれたの。戦うのに。生きるのに」
そういった私めがけて、銀時は拳を振り上げた。殴られる。反射的に目を瞑ったが、衝撃は来なかった。そのかわりに暖かい何かに包まれる。
血と、土と、汗と、太陽のにおい。それと微かに、銀時の香り。
「ぎん、」
「んなこと言うな。生きろ。……たのむから生きてくれ。俺のために……!」
私を抱きしめる腕の力が強くなる。
戦うことに疲れたなら、俺の後ろにいればいい。
掠れて悲痛な声が聞こえた。小さな声なのに、私にはしっかり届いた。
抱きしめ返すこともせずただ下ろしていただけの手を、銀時の背中に回し、少しだけ力を込めて着物を掴んだ。
哀れな
( 2人はこえもださずにないた )