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弱虫な君も



「真子」
「なぁにー?」


夕飯の支度してるんだよ。
あまりくっついたら動きにくいよ。と後ろから私を抱きしめてくる銀時を優しく諫める。

最近、やけに甘えてくる。
昔の仲間に会った。と暗い顔をして帰って来た日からだ。
私が銀時の過去について知っていることは少ない。
ヅラさんと辰馬さん、あともう一人と攘夷戦争を戦ったっていうのは知っているけど。

きっと、私が知らないもう一人の人に会ったんだ。


「ほら、夕飯できたよ」
「…あァ」


神楽ちゃんは新八くんの家に行っている。
久しぶりに二人きりの夕飯。
楽しみにしていて、ちょっとはりきったけど会話は弾まず、あっというまに終わった。




お風呂あがり、銀時が頭からタオルを被ってソファーに座っていた。
あまりにも寂しそうな背中に、思わず抱きついた。


「銀時」
「あー?」
「私はさ」


銀時と出会って、たくさん愛してもらって、たくさん愛して、銀時のおかげで色んな人と知り合えて、すごい幸せだよ。


「私の幸せは、全部銀時がいるから成り立ってるの」
「……」


だからもし悩んでるなら、いくらでも私を頼って、甘えて。

そう伝えたら、銀時は私の腕をひっぱってキスをした。
いつもより優しく、ゆっくり触れた唇に、愛しさで涙が出そうになる。
唇が離れてから、私は促されるまま銀時の膝の上に向かい合わせで座った。
私は銀時の頭を抱えるように抱きしめた。


「真子、好きだ」
「うん、私もだよ」
「愛してる。……離したくねェんだ」
「うん」
「真子、真子ッ!」


私の腰にまわった銀時の腕が強く強く私を抱きしめる。
それに応えるように私も、強く銀時を抱きしめ、そのふわふわな頭を撫でた。



「離れないよ、絶対に」

弱虫
(いつも消えない不安)







 


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