オーロラになれなかった人のために 3



クチバシティの船着場に降りた時、一番に思ったことは「匂いが違う」だ。うまく言葉にするのは難しいけれど、ガラルとは異なる街の香りがして、それでようやく私は今自分は知らない街にやってきたのだと認識する。
発展した賑わいのある港町。
行き交う商人、住民、ポケモントレーナー。
そしてトレーナーとともに歩いている見慣れないポケモンたち。

私はとうとうカントー地方にやってきてしまった!

今すぐ鞄からレターセットを取り出して、今カントーに着いた!とだけマクワに送りたくなった。
が、港のそばのベンチに懐かしい人の姿を見つけた。その人も降りてきた私に気がついたらしい。立ち上がりこちらに手を振る。
私も応えるように手を上げて、その人の元へ向かう。

「やあ、名前ちゃん。久しぶりだね」
「はい、お久しぶりです。ワタルさん」
カントーおよびジョウトの現リーグチャンピオンであるドラゴン使いのワタルさんが私を出迎えてくれた。うーん、出だしから豪勢すぎる。

なぜ私が彼と知り合いなのか。それは私がチャンピオンになってすぐの時に他地方とのリーグ交流会があったからだ。
わざわざガラルまで来てくれた当時の色々な地方のチャンピオンたちと恐れながらお話をさせていただいたことを今も覚えている。全力でバトルしたもらったことも懐かしい記憶だ。
とはいえ、当時お世話になった方で現在も変わらずにチャンピオンの座にいる人は少なかったはずだ。もともと高齢で次に譲りたいと言っていた人ばかりだったし。今も変わらずチャンピオンなのはワタルさんと、イッシュのアデクさんくらいではないだろうか?他の地方のチャンピオンは若い人に変わってしまったそうだ。まあ、ガラルもそうだしね。私のことです。

「まずは長旅お疲れさま。大変だったろう?」
「普段船に乗らないので最初の方は船酔いでちょっと大変でしたね」
「ふふ。そうだな、立ち話もなんだし何処かに入ろうか」
そう言って近くにある落ち着いた喫茶店へ案内してくれる。
扉の鈴を鳴らして中に入ればナイスミドルなマスターがこちらを見て目を細める。ワタルさんというこの地方で、いや世界的にも有名なポケモントレーナーを前にしても他のお客さんと変わらない態度で私たちをテーブルへ案内してくれるのはありがたい。
一度チャンピオンになった身故にわかるのだが、有名人になってしまうとプライベートが守られ辛いのだ。街を歩くだけで写真を撮られたり、何処ここにいたとSNSで拡散されたり。気がついてもそっとしておいてくれるだけで救われるプライベートがある。

私は紅茶を、ワタルさんは珈琲を注文して、2人テーブルを挟んで向かい合う。
「会うのは久しぶりですねぇ」
「そうだね。というか、前にあった時も言ったが敬語なんて外してくれて構わないよ。年はそんなに変わらないのだし」
「あー、えっと。では、お言葉に甘えて」
年齢は変わらなくてもワタルさんは尊敬するトレーナーなのでつい畏まってしまう。が、当人がそういうのなら敬語は止めることにした。今はお互いにプライベートだしね。

「えーっと、その、急に連絡してごめん。カントーに行こうと決めたのもほんの5日ほど前なんだ」
言葉に甘えて口調を崩す。そうして急な来訪の謝罪をするが、彼はなんでもないように笑みを浮かべた。
「構わないさ。むしろ君から連絡が来て嬉しかったよ」
「そう?」
「名前ちゃん、君は結構人見知りだろ?下手したらカントーに来ると決めても誰にも連絡せずに来て、そのまま何も言わずに帰りそうだからな」
「はははは」
「否定はしないんだな」
「…………ワタルさんにはチャンピオンだった時にお世話になってるからな」
「なるほど、君を世話しておいてよかったよ」
運ばれてきた紅茶に口をつける。

カントーに行こうと思った理由は2つ。
ひとつはカントーにしかいないむしポケモンが見たいから。
それからもうひとつは、以前お世話になったワタルさんを思い出したから。

何一つ知らない土地に行くよりかは、少しでも縁があるところに行こうと思ったのだ。そう思い、ものすごく勇気を出してワタルさんに数年ぶりに連絡を取ってみた。そうすれば彼はぜひ案内したいと私の来訪を喜んでくれたのだ。いい人すぎるな。私の周りいい人しかいないのだが。
彼も私がもうチャンピオンではなくなったことを知っている。そのためか「ガラルを離れてゆっくりすることが今の君には一番いいのかもしれないね」と彼は言った。

「遅くなったが、チャンピオンお疲れさま」
「ありがとう。負けてしまったけれどね」
そう言えばワタルさんは苦笑する。
「チャンピオンだって負ける時はあるさ。オレなんて負けたのに、その挑戦者がチャンピオンになることを放棄したからって未だにチャンピオンをやってるんだからな」
自嘲するような声音を首を振って否定する。
「それでも他でもないワタルさんだから、変わらずチャンピオンの座についてほしいってみんな思ってるんだと思う」
「それはわからないが、そうなら嬉しいな……って、オレが慰められてちゃ訳無いな」
ワタルさんは「君の慰安のために来たっていうのに」と笑う。

「それにしても、その、君も大変だったようだな」
「……?」
「いや、ガラルはリーグ戦のエンターテイメントとしての人気が他の地方に比べて高いとは思っていたが、それにしてもあれは凄まじかったよ」
「へ?」
「外からの意見なんて気にする必要はないよ、ポケモントレーナーなら誰だって理解できる。それにしてもガラルのリーグも毅然としているね、トレーナーをしっかりと守ろうとする素晴らしい態度だ」
「はあ……」
「確かに難しい話ではあるんだ。どうしてもトレーナーとそれ以外の人とではポケモンバトルへの認識に溝ができてしまうのは事実だし」
「えーっと、なんの話?」
「え?」
「え?」
「…………」
「……えっ、リーグ?トレーナー?なにかあったの?」
「…………」
「……ワタルさん?」
「……いや、なんでもない。この話はやめておこう。ところでこっちの地方のむしポケモンを探してると言ってたね。そうだな、オレでよければ、」
「ちょっ、ちょっ、ちょっと待って。待ちなさい」
ワタルさんの爽やかな笑み。明らかに何かを誤魔化そうとしているのがモロバレだ。
逸らそうとする話を無理やり元の位置に戻す。
「よくわからないけど、ワタルさんがそう言うほどの何かあったのなら詳しく教えてほしい」
「知らないのなら知らないままでいいと思うが……」
「私が当事者なんでしょう?その判断は私がするべきだよ」
「……君は真面目だな」
「ワタルさんが私の立場でもそうすると思う」
「……ふっ、違いないな」
彼は困ったように笑ってうなづいた。
それから私の目をじっと見る。私も負けじとその目を見つめ続ける。それが何秒ほど続いただろうか。やがてワタルさんは大きく息をついて「仕方ないな」と呟いた。

「君がリーグ戦で敗北した後、一部のメディアが過激に君のことを叩いたんだ」
「……へぇ」
まったくもって寝耳に水である。あまり実感のない私の顔にワタルさんも変な顔をする。
「その様子じゃ本当に知らなかったんだな」
しまったな、話題にするんじゃなかったと口を押さえた彼が後悔じみたことを呟くが、カントーにいるワタルさんの耳に入るような騒ぎが今後私の耳に入らないわけがなくて、だったらよくわからないメディアから情報を得るより信頼できる人から話を聞いた方がよっぽど良い気がした。

「時折、人は一方を持ち上げる為にもう一方を下げることがある。そのひとつの例だよ。君や新しいチャンピオンが悪いわけじゃないさ」
「はあ……」
気の抜けた声を出すとワタルさんに困った顔をされる。
「名前ちゃん、君が当事者だよ」
「自覚がないので……」
チャンピオンじゃなくなってからは無気力過ぎてテレビもネットもほとんど遮断していたし。

しかしそんな話を聞くと気になるのがこの私。さてさてどんなふうにボロクソ言われてたか調べてみよ!とスマホを出した瞬間、
「わ!」
ワタルさんにスルッと取られた。
「そういう好奇心はやめるんだ」
「ええー」
「今の今まで君が知らなかったってことは、君の周りにいた人が傷つかないように君を守っていたってことだろう」
ちらりと彼が視線を向けた先には私の左手があって。
「今言うのもなんだが、結婚おめでとう」
「ヴッ、ア、アリガトウゴザイマス……」
いやまだ結婚はしてない。あくまで婚約だ。
もごもごする私を見て、ワタルさんは目元を緩めた。
「素直に守られていたまえ」
「…………ウン」
私の手からリモコンを取ってチャンネルを変えた時のマクワの横顔を思い出した。今思えばあの時の表情は、彼にしては珍しく怒っていた、ような気もする。
……そうか、私は守られていたのか。
彼と離れた今になってようやくそんなことに気がつく。
思えばそうだ。マクワの家に転がり込んでいたあの日々、あの時間、無職になったことへの虚無感はあれど私は一度も辛くなかった。それどころか、世間に蔓延る悪意が私に刃を突きつけていたことにさえちっとも気がつかなかった。

「君へのバッシングの中には笑って済ますには過激すぎるものもあってね、ついにはリーグ委員会から通告まで出たのさ」
「通告?」
「ああ。公式の場ではっきりと言っていたよ。『正々堂々と戦ったトレーナーをこれ以上侮辱するのならば法的な手段も問わない』とね」
……ますます私がどんなふうに言われていたのか気になってくる。というか、チャンピオンが一回負けただけでそんなことになる?もしかして負ける前からマスコミに嫌われていた説あるな?なんかしたっけ?全然覚えてないんだけど。
なんとも言えない顔をする私にワタルさんは本日何度目かわからない苦笑をする。
「こんなに大ごとになったんだ、当事者である君にも当然連絡が入ってるものだと思っていたんだけどね」
「あー、チャンピオンの引き継ぎが終わってからは自宅に仕事用のスマホを置きっ放しにしちゃってて……」
「……それはつまりこれまでリーグと一切連絡を取ってないということかな?」
「うん」
「もしかして、名前ちゃん」
「うん?」
「カントーに来たこと、リーグに伝えていなかったりするかい?」
「うん」
「…………」
素直にうなづいて顔を上げると、ワタルさんがなんとも言えない顔をしていた。何故。

「えーっと、もしかして伝えた方がよかったのかな?いや、私もうチャンピオンじゃないただ無職だから別にいいかなっていうか、リーグに連絡するとかそんなこと思いつきもしなかったんだけど」
ワタルさんが頭を抱え出した。すごい、世界のドラゴン使いでも頭を抱えたりするんだ。親近感。
「名前ちゃん」
「はい」
「リーグ側の立場に立ってみようか。世間では声明を出さなければ落ち着かないほど君へのバッシングが過激になっている。君はまだ10代で女性だ。そんな中、君と引き継ぎが終わって以降連絡が一切取れない。……リーグ関係者はどう思うかな?」
「事件に巻き込まれた。もしくはバッシングを苦にして自ら消息を断とうとしている」
「そうだね!」
大正解だよ!と言うと、ワタルさんがサッと携帯を取り出すと仕事モードでどこかへ電話をし始めた。おお、なんかカッコいい。働く大人って感じだ。無職は目を輝かせた。
「……急にすまない、オレだ。早急にガラルのリーグ委員会に伝えてほしい。名前選手はこちらで無事に保護している、と」
保護。保護とは。
「ああ、外傷はないし、精神的にも安定している。色々あって疲れているのだろう。休養のために来たそうだ……ああ、問題ないよ、ありがとう。……ああ、頼む。では」
どうやら私はワタルさんには保護されたらしい。絶滅寸前のポケモンかな?
カントーにはただの観光のために来ました!本物のスピアーを見てみたいです!

電話を切ったワタルさんは私をまっすぐ見据えると「いいかい」とこれから小言をいっぱい言いますという顔をした。相手がマクワなら「やだやだよくないアー!アー!」と駄々をこねて抵抗していたが、今回は相手が悪い。抵抗する間も無く小言が始まってしまった。

「名前ちゃん、報連相という言葉を知っているかい?」
「野菜の、」
「報告、連絡、相談。社会人としての基本となる3つの要素の頭文字をとった言葉だ。何かあったらまず早めに報告。現状どうなっているのかをしっかりと連絡。不安要素がある場合は相談をする。仕事をしていく上で大切なコミュニケーションだよ」
新卒社会人へのマナー講習みたいなことを言い出したドラゴン使い。私のボケとも言えないボケは即座に叩き潰されたが、流石の私だって元チャンピオン。報連相くらいは知っているし、必要とあればいくらでも報連相くらいする。
ただ、今回それをしなかったのはひとえに、

「……負けたから、……もうチャンピオンじゃないから、リストラされたのかと思ってた……」

今の自分に、リーグへの報告義務があるだなんて思いもしなかったのだ。ダンデ少年への引き継ぎが終わったら、私がやることなんて無くなる。それから先どうしていくかなんて、リーグは何も言わなかったし、この先なんて何もないと私自身思っていたのだ。

そう言うとワタルさんが黙り込んだ。眉間にグッと寄った皺に思わずしわしわと萎縮する。美形の怒った顔怖い……。まあ怒った顔は美形じゃなくても怖いけど……。
「……なるほど、報連相が足りなかったのは君のほうだけではなかったようだね。リーグ所属トレーナーへのアフターケアの不足に、今後のキャリアについての説明不足。ガラルの方にはまた別の要件で電話をする必要があるようだな」
「ほ、保護者かな?い、いいよ、大丈夫だよ、ワタルさんがそんなことしなくても」
これからのことを聞かなかった私にも問題が……ある、……のだろう、たぶん……怒られたりするかな……やだなそれは……。

「なんにせよ、結果としてリーグに所属するトレーナーへのサポートやアフターケアが足りていなかったことは事実だろう?そこは改善すべきだ。それとも君は君より年下の新チャンピオンが似たような対応されても構わないのかい?」
「ビシバシやっちゃってくださいよ、ワタルさん!」
ダンデ少年は未来ある若者だ。戦ったからわかる。最高のポケモントレーナーだ。彼のバトルへの真っ直ぐな気持ちが、周囲の瑣末な不理解やミスで翳らされては困る。またあの子とバトルしたいしね!
「そうだろう?オレからも伝えるが……他でもない君自身もしっかり伝えるべきだよ。何がわからなかったのか、どうして欲しかったのかを、きちんとね」
そう言って微笑むワタルさん。
すごいな、ワタルさんは。私とそんなに年が変わらないはずなのにこんなにしっかりしていて、視野が広い。やっぱりこういう人が地方の代表者としてチャンピオンになるに相応しいんだろうなあ。
ちょっとでもワタルさんに近づくために私もドラゴン使いになろうかな!?無理だろうな。相棒のバタフリーにさえ下に見られている私が気位の高いドラゴンタイプを育てられるわけがない。ドラゴンタイプの『かみくだく』で血を見る予感しかしない。

「まあ、暗い話はもう止そう。そんなことより君には是非カントーやジョウトを楽しんでいってほしい。名前ちゃんのバカンスを友としてサポートするよ」
「ん゛っ!」
…………友、として?……友!?友と言われた!!
「? どうかしたかい?」
「ん、ううん、なんでもない」
ぶわっと赤面する。そっか……私たち友達なのか……。ただの仕事上の知り合いかと思っていたら友達だった。
最近こういう予想外の誤解ばかりだな。いや、悪いことじゃない。それどころか、とても嬉しい。
マクワへ送る手紙にも今日のこの嬉しかった話を書こう。楽しかったこと、嬉しかったこと、びっくりしたこと。まだ1日目なのに彼に伝えたいことはもうすでにたくさんある。

そのあとワタルさんはジョウトのむしポケモンジムリーダーを紹介してくれたり、自然公園で定期的に開催されていると言う虫取り大会について教えてくれたりした。なにその最高なイベント。ガラルでも開催しようぜ。あっ、これもマクワへの手紙に書こ。





『マクワへ

元気?私は元気。今日の昼前にカントーのクチバシティについた。今日というのは私が手紙を書いてる今日のことです。
前に仕事で知り合ったジョウトの人とお茶をして、カントーやジョウトについて色々聞いた。仕事仲間だと思っていたら友達だと言ってくれてうれしかった。
ジョウトにはむしタイプのジムリーダーがいるらしい。明後日会いに行く。あと自然公園で虫捕り大会があるらしい。ガラルにもあったらいいのになと思った。
ここには見慣れないポケモンがたくさんいて楽しい。いつかマクワとも一緒に行けたらいいと思ってる。また連絡する。

名前

P.S.
さっき知り合ったイシツブテがくれた石をあげます。マクワにあげていいか聞いたらうなづいたので大丈夫です。』


名前から手紙が届いたのは、彼女が旅立って1週間後のことだった。その日の出来事をとりあえずざっと書いたのだろう。短い割に情報量の多い手紙にマクワは自宅のソファに座って唇を緩める。
上手で綺麗な文章では決してない。けれどマクワはそれが愛おしかった。自分に宛てて手紙を書いてくれたこと、それだけで嬉しかったのだ。

マクワは同封されていた石を手の中で転がす。人差し指と親指で輪っかを作ったくらいの大きさのなんの変哲も無いただの灰色の石。けれどマクワにとってそれはただの石などではなくなってしまった。
この世でただ唯一のもの。きっと忘れられない。絶対に捨てられない。

膝の上のツボツボが興味深そうにマクワの掌の上の石を鼻先でつつく。名前からですよ、と教えてやればツボツボは小さく鳴いて笑う。マクワののんきな性格のツボツボが、同じくどこかのんきな気質な名前のことを好いていることを知っていた。仲良しですもんね、マクワはツボツボのその小さな頭を撫でる。

出来ることならマクワからも彼女へ手紙を送りたかったけれど、モネはカントーやジョウトの各地を転々とするようだからそれは難しいだろう。ならばせめて電話でもと思わなくなかったが、マクワはテーブルの上に置きっ放しの名前の携帯を見て苦笑する。忘れ物はないかというマクワの問いに彼女が大きくうなづいていた記憶があるのだけれど。今更届けに行けるわけでもなし、ここにあるのだから仕方ない。

「次の手紙が楽しみですね」
そう言えば、ツボツボが甲羅から長く体を伸ばして鳴いた。掌を差し出せば匂いを擦りつけるみたいにぐりぐりと甘えて擦り寄ってくる。ここに名前がいたら、ツボツボを「かわいい!かわいい!」と褒め称えたことだろう。
なんて、名前が出かけてからマクワはいない人のことを考えてばかりだ。

彼女の旅行が何の苦しみもない、ただただ楽しいものでありますように。この遠いガラルの地から、マクワはそう願ってやまないのだ。


(2020.5.13)
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