心に垣をせよ #30 「さぁ野郎ども!準備はいいか!」 「いえっさー!!!!!」 「…なぁ小堀、」 「どうした笠松。」 「なんでお前ら俺の部屋にいんだ?」 「森山から連絡網が回ってきて。」 「…俺んとこには来てねぇ。」 「メール見るか?」 "今日の正午、笠松の部屋集合!" 「…おいなんで笠松の部屋集合なのに笠松に連絡きてねんだよ」 「細かいことは気にすんなよ笠松ぅ〜!」 「細かくねぇ!なにしにきたんだお前ら!!」 「…今日だろ?」 「は?」 「黄瀬王子がなまえ姫を迎えに行く日!」 「…そんなこと言ってたっけか?」 「言ってないけど今日だろ〜。だから!覗く!一部始終を俺たちは目の当たりにするんだ!」 「うおぉぉぉぉぉ!!!!森山先輩!!オ(レ)テンション上がってきたっす!!!!!」 「わかったから早川は静かにしろ。ばれちゃうだろ。」 「すんません!!!!!でもオ(レ)っ」 「おいあの向こーうから来んの黄瀬じゃね?黄瀬だろ!おいみんな!フォーメーションCだ急げ!!」 「………森山、」 「どうした小堀、」 「フォーメーションCっつったらさ、この前まで平均身長高ぇとことかに使ってたやつだよな…。」 「そうだな。」 「それが背の順トーテムポールに変わったのはいつからだろうな。」 「結構前からだろ。現に俺たちは素早くトーテムになれた。慣れだよ慣れ。…あ、とうとう黄瀬がなまえちゃん家の前に立ちましたよみなさん!」 「……黄瀬、緊張してるな。」 「あぁもうゾクゾクする!なにこの緊張感!」 「森山黙れ」 ピンポーン… 「……………。」 「……………。」 「……………。」 「……………。」 ピンポーン… 「……………。」 「……………。」 「……………。」 「……………。」 「みょうじ先輩いないんすかね!!!!!」 「早川うるせぇ!!!」 ガンッ 「「「いだっ」」」 「あ?」 「っつー…、バッカ笠松!お前トーテムの一番下だぞ!そのまま頭突きしたら俺と小堀もダメージうけんだよ!!」 「おぉそっか、わりぃ…」 「あぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」 「早川うるせぇ!!!」 ガンッ 「「「いだっ」」」 「あ」 「笠松!」 「わ、わりぃ…。それより早川なんだよ!!」 「みょうじ先輩が!!黄瀬に抱きっ抱きっ…」 「「なに!?」」 「…どうしてこうなった?いつの間にこうなった?小堀!」 「俺にもよくわからん…って…」 「……………。」 「……………。」 「……………。」 「……………。」 「…キス、したぞ。」 「…キス、したな。」 「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ」 「お、落ち着け早川!深呼吸しよう。な?」 「じゅっ、18禁だ…!!だめだ俺見れねえ…!!」 「落ち着け笠松!キスは18禁じゃないしお前は20歳だ。どこにも問題ない。」 「おい森山笠松、黄瀬がなまえちゃん家入ってくぞ。」 「「なに!?」」 ――その時、黄瀬がこちらを向いて、明らかに俺たちをバカにした。黄瀬の目が、アンタらいい年こいて何してんスか、と語っていた。 「……………。」 「……………。」 「……………。」 「……………。」 「おい、黄瀬シバきいくぞ…」 「「「イェスキャプテン」」」 * * * 誰が何いっているのかは心の目で見分けてください。 2012.12.10 |