scherzando | ナノ




へんたいだみんな逃げろ!


!(主に宮地先輩が)大変下品でございます。





「っはぁあぁぁぁあ゛〜」


シャワーだホーイ!と回りながらシャワー室へと消えていったなまえちゃんを見送ったあと、盛大なため息を口から噴射する。


「たわしプレイ…」

「……………」


うなだれたまま横に目を見やる。あぁそうだった。まだ宮地さんがいたんだった。


「…めんどくせ」

「あ゛ん!?」

「……………」

「…で、たわしでどうプレイすんだ?」

「…宮地さん欲求不満なんすか?」

「あ゛ん!?」

「だって緑間襲ったりプレイって言葉に敏感だったり…」

「緑間とプレイに反応したんじゃねぇよ。ひもパンとたわしに反応したんだよ。」

「……………」

「で?たわしはどのタイミングで使うんだ?」


…もういいや。なるようになる。そんでなまえちゃんが出てきたらすげぇ面白くなる。…に俺はかける。


「…固形石鹸が迫ってきたら思いっきり後ろから前に向かってこう…シュッと!ビュッと!」


そう言って右手をスイングする。


「おぉう…激しいな…。お前あの練習のあとにそんな体力あんのか…。つーか…なるほど…固形石鹸か…そうだよな…たわしだけじゃ無理だよな…」


…どう解釈したんだよ。やめろ肩が震える。


「で?」

「で、クラッシュっすね。」

「え…それお前学校でやったの?声とかヤバくね?」

「ぶふぅっ!」

「あ?」

「いやっ…なんでも…ねぇっす…っ」


バカだ。この人バカだ。何言ってもそっち方面で考えるんだけど。


「つーかそんだけ激しくしてもうあんな元気なの?お前の彼女何者?体力宇宙?」

「いーや、まだプレイは終わってねっすよ?」

「え、まだやんのか!お前そんな体力宇宙だったっけか?っつか鬼畜!」

「クラッシュしたあとたわしが勢い余ってすっとんでっちゃったんすよ。」

「…またやらかしたなお前…。つかどんだけ激しくしたの?彼女体丈夫だな?」

「そのたわしが校庭まで隕石のごとく飛んでって…」

「……………」


宮地さんはまるで第4Qの最後、逆転するかしないかを決めるシュートを見守るかのような顔で俺を見る。


「なんと!そのまま緑間の頭に激突したんすよ〜!」


…俺のシナリオでは、ここで「…あんだよたわしでプレイして(遊んで)ただけかよ〜」「流石にたわしプレイはマニアックすぎっすよ〜もし存在すんなら俺もやり方教えてほしいっす〜」「だよな〜!つか緑間いい気味〜」「しっかり仕返しされたっすけどね〜」…みたいな感じでこの冗談は和やかに終わる予定だった。


「…ス…スリーポイント…だ…と…!?」

「は?スリー?」

「高尾お前…!! いくら彼女が丈夫な宇宙っつってもな!緑間とスリーポイントは駄目だろ…!! 高校生が足を踏み入れていい領域じゃねぇ!!」


この人…何言ってんだ…?


「緑間とスリー?緑間がスリーじゃなくて?」

「緑間とお前と彼女でスリーだろ?」

「……………」


真ちゃんと俺となまえちゃんで…スリー…?スリーポイント…3P…さんぴ…あ。…あぁ〜。


「…おい高尾なんだその目は。轢くぞ。」

「いやぁ、先輩の言うことはちげーなーと思って。」

『和くんおまたせ〜って、あり?』


宮地さんのどぎついピンクな脳みそにある意味尊敬していたところに、なまえちゃんが、首にタオルをかけて、俺のTシャツを着て出てきた。


『まだいたんですか?えぇっと…ミヤジさん』

「オヤジさんみたいなイントネーションでよぶのやめてくんない?」

「ぶふぅっ!」

「まぁ…いいや。あのよ…高尾から今話聞いたんだけどよ…たわしプレイって…イイのか?」

『もう快感ですね!』

「傷ついたりしねーの?」

『私は自分も相手も傷つけません。安全性は保証しやすぜミヤジさん!なんなら今度ミヤジさんも一緒にやります?私負けやせんぜ!』

「た、高尾…お前の彼女マジで何者…?」

「〜〜〜っ」


今俺に話しかけないでほしい。笑いが爆発する。なんでこの人たち会話成立してんだ。


『っていうかミヤジさん、私和くんの彼女じゃないですぜ?』

「………お前ら…っ、付き合ってもねぇのにいきなりたわしプレイは駄目だろ…!!」

「〜〜〜っ」


今俺を揺らさないでほしい。笑いが爆発する。


『っていうか私和くんとたわしプレイしたことないですぜ?』

「……………はぁ?」

『……………んん?』

『「……………あり?」』

「〜〜〜〜ぶふぅ!ぶははははひゃひゃひゃ!! ヒィィィィィ今世紀最大のアホ顔ぎゃははははは!!」


二人がやっと自分たちの会話が噛み合ってないことに気づき、その瞬間に出たダブルのアホ顔に、俺の笑いはついに爆発した。やばい笑いすぎて死ぬ。


「ぎゃはははたわしプレイって…ひぃ、たわしホッケーのこと、すからね?ぶふぅ、たわしでプレイ(試合)するだけすからね?水飲み場で…ぶっはぁ!」

「……固形石鹸が迫ってきたら思いっきり後ろから前に向かってビュッ!…クラッシュ…快感…たわしホッケー…」


宮地さんは今まで出てきた数々の単語イメージをたわしプレイからたわしホッケーに接続しなおす作業にとりかかる。


『そうなんすよミヤジさん!白熱のあまりたわしがすっとんでっちゃってーそれが真ちゃんの頭にスコーン!と…てへ!』

「で、怒った緑間が何故か俺をなまえちゃんに向かって投げたもんだから校庭で二人仲良く潰れてー」

『そん時下だった私が砂まみれってんで、和くんに着替えかりにきてー』

『「そんで今っすね!」』

「……………」


宮地さんの顔のパーツが全部平行になっているのを見て、また笑いそうになるのをなんとかこらえる。


「ぶっふ、あれ〜?宮地さんなんか勘違いしてました?スリーポイントがどうとか…」

『え?スリーポイント?』

「なまえちゃん気をつけて!この人エロオヤジだから!」

『え?エロミヤジ?』

「あ゛ん!? でもまぁ…おかしいとは思ってたんだよ。だってお前そのカッコ…自分の服女に着せるって…男のロマンじゃん…サイズでかいとか…絶対クるじゃん…。こいつ全然何にも来ねぇんだけど。どっからどう見てもつんつるてんのちんちくりんじゃん…。そんなんがお前…」

『ミヤジさんそれどういう意味っすか!』

「色気がねぇっつってんだろーよ。」

『……………』


大変だ。妄想と現実とのギャップに宮地さんはデリカシーの限りを全て吸い取られている。


『…チェリーボーイが…寝言言ってんじゃねぇよ』

「あ゛あ゛ん ! ?」



へんたいだみんな逃げろ!
* * *
2012.12.03




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