日一日君と 「この3日間、ほとんどの時間を僕はなまえさんと過ごしてきました。」 『うん、』 「なまえさんがご飯を作ってくれて、髪を乾かしてくれて、朝起こしてくれて、一緒に笑ってくれて、一緒にいてくれて。僕がバスケをするのも、スタイルを認める、とかではなくて、ただ単純にバスケをする僕を見るのが好きだと言ってくれました。」 『うん、』 「僕は、バスケが好きです。」 『うん、見てたらわかるよ、』 「だから、嬉しかったんです。」 『…うん、』 「僕がどうして火神くんではなく、なまえさんに来てくれるよう頼んだのか、…それは、ただ来てほしいと思ったからです。どうしてそう思ったのか、その時はわかりませんでしたが。ただ、なまえさんと過ごしていくうちに、もっと一緒にいたいと思うようになったんです。僕も、なまえさんと過ごす時間は幸せだったんです。だから、無理を言って部活が終わるまで待っててもらいました。夕飯を早く食べることとか、お風呂を沸かすことよりも、なまえさんと過ごす時間を優先させたかったんです。こんなこと、滅多にありませんから。……それで、気付いたんです。」 『…なに?』 「僕は、君が好きだ。」 『………………』 「もちろん恋愛感情です」 『………………』 「あの時君を誘ったのは、きっと好きだったからなんです。まだあやふやな気持ちでしたが。それがこの3日間で確信しました。僕は君が好きだ。これが、僕の答えです。」 『………………そっか、やっとわかった』 「…?」 『私ね、あの時もし黒子以外の男子に家来てくれなんて頼まれても多分断る。でも、黒子だったから行った。どうしてだろ、ってずっとわかんなかったの。でもね、今の黒子の話聞いてわかった。…私、黒子のこと好きなんだね、』 「…………………」 『もちろん、恋愛感情。』 「…………知ってましたよ、」 『え?』 「薄々、そうじゃないかって自惚れてたんですけど、さっきなまえさんが僕といて幸せだなんて言うから、あぁこれは、って思いました。それなのになまえさん全然自分で何言ってるのかわかってないようだったので。」 『………………』 「あんなん、好きだって言ってるようなものじゃないですか。あれでなまえさんが僕のこと好きじゃなかったら君はとんだ小悪魔です。」 『………鈍くて悪かったね』 「まったくです。」 そう言って黒子が笑った。 「明日からも登下校は一緒ですよ。迎えに来ますし、送ります。」 『………………』 「そのかわり、僕の練習に付き合って下さいね」 『…………うん、』 どうして黒子は私をこんなに幸せな気持ちに出来るんだろう。 「それで、いつかまた、君と一日中一緒にいられる日が来るよう頑張ります。」 『え?』 「なまえさんは鈍いからわかりませんか? 僕今結婚の予約をしてるんですけど」 『………黒子は気が早いなぁ、』 「そんなことないです。で、返事は?」 『…………待ってる。』 いつかまた、日一日君と過ごせるように。 Fin. * * * 日一日(ひひとひ) 一日中、という意味です。 ここまで読んで下さってありがとうございました! 2012.9.12 |