ろうそくのような白い肌
丸くありながらも持ちやすい体
つぶらで大きく綺麗な瞳
揺れる紫のなんと美しいことか

「あなたはヒトモシにも似ていますね」
「もしー」

書類を届けに来ただけの彼女は面食らった表情をしました
ああ、失礼。上記の内容を口には出しておりません
丸くだなんて女性に言えるはずもございません

というより、あなたはもう少し太った方が宜しいのではないかと思うのですが
いやいやそれこそ大きなお世話ですね
体というのはあくまでもサイズ的にと付け加えておきましょう
我々イッシュの人間からすると、彼女の出身地方の方々はやや小さいのです

「ポケモンに例える遊びでも流行っているんですか?」
「…と、申しますと」
「クダリさんにはバチュルに似ていると言われました」

バチュルと聞いてヒトモシがどこかむっとしました
どうにもこの子はクダリのバチュルと対抗しているようで
親同士はとても仲が良いですのに何故でしょうか

抗議の声をあげながら彼女に必死に白い手を伸ばしています
ふむ、後姿だけ見ればヒトモシはクダリに似ているとも言えなくはないですね

「それであなたはどちらの方が嬉しいですか」
「もし!」

自分だろう!とでも言いたそうなヒトモシの鳴き声
わたくしが思わず微笑みそうになる前に、彼女が珍しく花でも飛ばしそうなほどにっこりと笑いました

「大切な人の大切なポケモンに例えられて、選ぶ以前にその時点で私はとても嬉しいです」


ああ、可愛い


好きだとか愛しているだとか
そんな言葉一切出てこなかったと言いますのに
全身から滲み出るオーラが一瞬でわたくしを包み込んで離さない

あれほど怒っていたヒトモシですら嬉しさで炎を揺らして甘えた声で鳴くのです
種族の違うポケモンですらそうなのですから、同じ人間のわたくしなど

「今夜食事でも行きませんか」
「それ、クダリさんにも言われました」

もう元に戻った表情でつれなくあしらわれました
先約のクダリと行くのでしょうか
わたくしもホームに出ている時に言っておけば良かったです

「では後日改めて」
「行かないとは言っていません」
「えっ」
「ドレスコードはないお店でお願いします。3人で食べに行きましょう」
「も、勿論でございます!」

喜びのあまり抱きついてしまいましたが、怒られませんでしたので良しとしましょう
腕の中にすっぽりおさまるあなたが小さくヒトモシの鳴き真似をしました
本当に、本当にどうしてこの子はこうもバトルに強いのでしょう

サブウェイマスターの名前が廃ってしまいそうですよ







おまけ。

「キロがバチュルに似てる理由?あのね、目がおっきい。小さくてかわいい。よくぷるぷるしてる。怒ってる時とか悲しい時とかこっそりしてるのぼくしってる。甘えたさんの時バチュルみたいにちょっと高く鳴く。かわいい。かわいい」
「3回言わんでええ」
「ダイジナコトダカラ3回言イマシター」








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