短編 | ナノ 「ねぇ、なまえ」

今まで書類を見ていた雲雀は私のほうを向くと笑った。
今がもう放課後だからか応接室は赤に染められていて、漫画のワンシーンのように感じる。でも、次の言葉を考えると全然ときめかない自分がいる。

「なまえ、今日は白い日だよ」

彼は突然、わけのわからないことを言い出す。
ソファでお茶を飲んでいた私はお茶を机に置くと頭をひねる。白い日?なんだろう。
いつまでも答えを出せない私に雲雀は時間切れだと言って、あるメモを渡してきた。

「これ何?」
「そこに行ってきて」

メモを開くと地図のようなものが書いてあって、また頭を抱える。
雲雀のほうを見るとまだ笑っていて、仕方ないかとため息を吐いてから私はメモの場所へと向かった。


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