短編 | ナノ 今日は女の子が勇気を出して想いを伝えてもいい日。
「なまえ、頑張って!」
友人の言葉に頷きながらも、今日こっそりと持ってきている袋を鞄から取り出してみる。
彼女と何回も何回も作り直して、やっと美味しく出来たチョコレート。
「……受け取って、くれるかな?」
「大丈夫!!受け取ってくれなかったら私が食べてあげるよ」
悪戯っぽく笑う彼女に救われる。
私は笑顔を作ると、深呼吸をして教室を出た。
きっと、彼は受け取ってくれない。それでも私は想いを伝えたい。
「みょうじ!」
想い人を探していると、前から山本が走ってくる。
山本は私の手にある袋を見ると何故か固まってしまった。
「それ、チョコレートか?」
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