短編 | ナノ 見回りと言いつつも僕はある人物を探す。
「なまえ、今日はどうするの?」
名前の聞こえたほうを見ると彼女、みょうじ なまえはいた。
友人と話しているらしく楽しそうだ。群れるなんて許せない、だけど今日の予定を話しているみたいだし今は許してあげる。
「今日は図書室に用事あるから」
ごめんね。困ったように笑うみょうじ。
じゃあ、放課後は図書室に行けばみょうじに会えるんだね。なんて少しだけ楽しみにしている僕がいた。今日こそは君と話がしたい。
「でも、ヒバリさんは大丈夫?」
突然、僕の話題が出てしまいドキドキとした。
それにみょうじは目を瞬いてから、はにかんだ。
「図書室にいるだけで怒られちゃうかな?」
「どうだろう?」
「下校時刻には帰ればきっと大丈夫だよ」
校則違反を一切しないみょうじは風紀委員に捕まったことはない。
もちろん、僕も捕まえたことはない。本当は捕まえたいんだけど、校則違反はしないし無遅刻無欠席で呼び出す理由が本当にない。だからこそ、彼女が愛しいと思う。
そんなことを考えていたら、みょうじ達はいなくなってしまっていた。
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