短編 | ナノ
「……あ」

目が合った途端に逃げる男の子。
髪の色も顔も耳も赤色の彼、古里炎真くんに私は避けられている。

「あんた何したの?」

友達にそう言われても苦笑いしか返せなかった。
私が何かしたというよりかされたというか……。
逃げたいのは客観的に見て私のほうのはずなんだけどなぁなんて窓の外を眺める。

「なんか雨、降りそう」

今日の降水確率いくつだっけなんてぼんやりと考えた。
彼のことを考えながら帰り支度をはじめる。
そういえばあの日もこのくらいの時間でこんな天気だったなぁ。

「ごめん、用事思い出したから先に帰ってて」
「ん?わかった」

友達を教室に残して私は赤色を追いかけに行く。
今日こそ伝えないといけない気がする。








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