短編 | ナノ



「寒いね……」

隣にいた雲雀に声をかける。
聞こえなかったのか、それとも知らんぷりか彼はなんの反応も返してこない。
仕方ない。ソファから立ち上がって応接室から出る。

歩きながら外を見た。
葉の付いていない枝がわずかに揺れ、少し寂しい気持ちになる。

この学校にいれるのもあともう少しだけなんだなぁ。
あっと言う間だった。三年間なんて短すぎる。

色んな思い出が過ぎり、気付くと私は学校から飛び出してある場所へと走っていた。
息が上がって、心臓が速くなる。それでも何故か足は止まらなかった。

近付くにつれて速まっていく気持ちと体。
まるで自分のものじゃないみたいに求めてく。







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