短編 | ナノ
私は人見知りするタイプ。
知らない人から話しかけられたり、知人から話しかけられたりしても恥ずかしくてうつむいて逃げてしまうくらいには人見知りだ。

そんな私に今、友達が出来そうだなんて自分自身まだ疑ってる。

でも私に手を差し伸べてくれてるこの人は、なんだか嫌な感じがしない。

「……おいで」

まるで魔法のようにその人に引き寄せられた。
温かい。
私よりも高い体温のその手はとても心地よくて、ずっと触れていたいと思った。

「君、名前は?」
「なまえ、なまえ」

この人の低い優しい声で名前を呼んでほしくてつい勢いよく言ってしまった。
なんだか恥ずかしくて、またうつむく。

でも嫌な顔をせずに私の頭を撫でてくれた。
思わず目を閉じる。
人に撫でられるのって気持ちいいんだと初めて知った。この人はいったい何者なんだろう。







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