短編 | ナノ
「ねぇなまえ、買ってきて」

ポンっと投げ渡されたのは経費が入っている財布だった。
思わず投げ返しそうになるのを堪える。

「委員長、これから払うんですか?」
「10分以内にね」
「え、ちょっ!!」
「9、8」

数え始めた委員長に焦り、私は走って応接室を出てしまった。
中から鼻で笑ったような声が聞こえたけど聞かなかったことにしよう。

わざとらしく大きなため息を吐くとまた委員長は数を数え始める。
これはもうどうしようもない。
私はゆっくりと廊下を歩き出した。


雲雀恭弥委員長は突拍子もなく私を呼び出しては仕事させたり、パシりにしたり……とにかく凄く遊ばれている。
何度も歯を食いしばったことか、考えてまたため息が出た。




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