短編 | ナノ 「雲雀恭弥を笑わせること」

放課後、友達との遊びで決めた罰ゲーム。
友達の負けて慌てふためく姿が見たくて、私はそんな罰ゲームにした。なのに、こんなことになるとは思ってなかった。

応接室の前。
さっきの友達の言葉を思い出す。

「雲雀恭弥を笑わせるなんて無理だよね、こんな罰ゲーム無効してあげよっか?」

勝ったことが嬉しいのか、罰ゲームを逃れたことが嬉しいのか、友達はニヤニヤとしながらそう言った。
そんなことを言われたら、やるしかないじゃないか。
私は手を力強く握って、ドアをノックする。

少し間が空いてから、不機嫌な声がした。

「何の用」
「……」

返事をしないでいると、ゆっくりとドアが開いた。

「君、誰」

出てきた雲雀恭弥に、私は思いっきり平手を打つ。
流石に驚いたのか避けられずに見事当たった。右手の平が熱くなるのを感じながら、すぐさま逃げる私。




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