短編 | ナノ
遠くでチャイムの音が聞こえ、重い瞼を上げ目を開く。
映るものは白で、ここはどこだろうと考え思い出す。

「熱は下がったみたいだね」

起き上がった私の頭を優しく撫でるシャマル先生に保健室なのか……と胸を撫で下ろした。
さっきの風紀委員の人が連れて来てくれたのかな?なんて馬鹿らしいことを考える。

ベッドから降りると、シャマル先生にミルクティーを渡された。
それは少しだけ温くなっていて私は結構な時間寝ていたのかと笑う。

「なまえちゃんも隅に置けないねー」

ニヤニヤとしながら言うシャマル先生に私ははてなを浮かべる。
そんな私に気付くと、手で顎を撫でる先生。

「……あの」
「悪い悪い、それは風紀委員長が置いて行ったんだよ」

風紀委員長?
あのヒバリさん?どうして?
頭が疑問でいっぱいになる。ヒバリさんには残念ながら会ったことがない。お見かけした時は何度かあるけれど、全くと言ってもいいくらい接点がない。

そんなヒバリさんが私に差し入れをした理由がわからずに、私はミルクティーを手に取った。

シャマル先生にお礼を言って、私はヒバリさんにお礼をしに行こうと保健室を出た。
持っていたミルクティーを歩きながら口に含むと温くて、甘ったるい。ミルクティーはいつもより甘くて好きになった。



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