短編 | ナノ
「みょうじ なまえ」

扉を開けた途端に騒がしかった教室は静かになった。
僕は中を見回す。が、彼女はいない。

「ねぇ、みょうじ なまえはどこ?」

近くにいた草食動物達に聞く。

「あ、さ、サボりです!」
「そう」

いつもなら咬み殺している所だけど、今はみょうじ なまえを探しに行こうと思って教室を出る。

屋上、保健室、体育館、探せる所は探した。
それなのに彼女は見つからない。

「……はぁ」

折角、僕が探しているのに何処にいるんだろうか。
頭を抑える。

「ニャー」

ふと足元には小動物がいた。
一体いつから、なんて考えながら膝をついて手を差し出す。
すると、猫は走って行ってしまった。なんとなくその後を追うと、探していた人物がいた。




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