短編 | ナノ
放課後に一人、教室に残っていた。
もちろん、掃除なんかしないけど早く帰ってまた怒られるのも嫌だし、自分の席でノートを開く。

「どうしよっかなー」

上から5つ目のバナナに丸をつける。
今までにやった、雲雀さん専用のイタズラノート。誰にも見せたことはない。
考えていると静かな教室に音が鳴った。

「お前だな」

窓のほうを見ると赤ちゃんがいて、子供らしくニッと笑う。
赤ちゃんは私の机まで来るとノートを持ってどこかに行ってしまった。なんだったんだろう。
まぁ、赤ちゃんに取られた所で困りはしない。そう思い帰ろうと扉に手をかけた。その瞬間に大きな音がする。

「…君」

私の手にかけたドアとは逆のドアが開いた、かとと思えば雲雀さんがいた。
うん、とにかく逃げよう。私は彼を見た瞬間に廊下を走った。ふはは、今ならチーターにだってなれる!

「待ちなよ
君が犯人だったんだ」

背筋が冷たくなった。
いや、べべつに怖くはないよ?雲雀さんなんか怖くないけど、怖くないけど、嘘です。バリバリ怖いです。

私はとにかく必死で走った。
そんな午後5時。


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