短編 | ナノ 次の日。
クロームちゃんは学校に来ていないようだった。

昨日の今日で話したいなんて、私はこんな固執する性格だったっけ?なんて少し笑える。
それでも考えることは彼女ばかりで、下手をしたらこれは恋なのかもしれない。そんな自分にため息が出た。

「…あの、」

学校から出ようとしたら、後ろから肩を叩かれる。
首だけを後ろに向けると今日一日ずっと考えていた人物で、なんだか嬉しくなった。

「…みょうじ、さん」

クロームちゃんは顔を真っ赤にしながら手を差し出してくれた。
その手を見るとクローバーが握られていて、私も彼女に手を差し出す。すると、私の手にそっとクローバーを置く。

「……ありがとう」

目に涙を浮かべて笑うクロームちゃんは綺麗だった。
彼女はきっと少し不器用なだけなんだ。私はもう一つのクローバーを彼女にあげた。


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