短編 | ナノ な、んだそれ。
顔が赤くなっていくのが自分でもわかる。なんで、こんなに、熱いんだ。
「なまえを僕のものにしたいと思った」
恥ずかしいことを言う彼。
いや、本当に、もう……。
「あ、」
「君を離すつもりはないよ」
段々と顔を近付けてくる。
もう、ダメ……。
「え、ちょっと!」
彼女にキスをしようとしたら、顔を真っ赤にしながら気を失ってしまった。
なにこれ、生殺しってやつ?
でも、意外にもイライラしなくて、だからといってココでやめるのも嫌だからなまえにこっそりとキスをする。
彼女が目を覚ました時の反応が見たいから、なんてなまえを抱いて応接室へとかかとを返す僕。
早く起きて、僕に君の笑顔を見せて。そんな願いを込めてまたキスをした。
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