短編 | ナノ 翌日。
教室に入るといつも騒がしいはずの教室が物凄く静かだった。
「ねぇ」
私の机のところには昨日の風紀委員の子がいた。
どうしたんだろう。不思議に思いながらも彼に近付く。すると、突然抱きしめられた。
「……え」
静かだった教室が一瞬で騒がしくなる。
なにもわからずに混乱する私を離したと思ったら、今度は腕を引かれ口がくっついた。
今、何をされているかくらいはもう中学生だし、わかっている。
でも、これは、今されているこれは、普通は、好きな人に、恋人に、するようなもので。
「もう中学生なんだから、キスの意味くらいわかるよね?なまえ」
してやったりという顔で彼は言う。いや、意味がわかりません。
「なまえは今日から僕のものだ」
それだけを言って、彼は教室から出て行ってしまった。
その途端に私の近くにいた人達が距離を取った。え、どういうこと。
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