短編 | ナノ 雲雀恭弥と向かい合う形で座らされる。
屋上の床は生足には少し痛くて、正座を崩そうとすると鋭い視線が向けられた。
「ねぇ、ちゃんと反省してるの?」
「……するわけないじゃん」
「はぁ、君は自分の立場をわかってないみたいだね」
そう呟いたかと思えば、トンファーを手に近付いてくる雲雀恭弥。
逃げようと立とうとするも足が痺れてて前のめりになった。
べたんと床に顔を打ち付ける。
「僕はいつでも君を捕まえられたんだけど、捕まえなかった」
その理由がわかるかい?
なんて頭上から声をかけられた。
痛くて悔しくて涙が出そうになる。でも、雲雀恭弥の前でだけは泣きたくなくてぐっと堪える。
「まさかみょうじが僕のことを好きだったとは思わなかったよ」
「うるさい」
「両思いだとは」
こんなの屈辱だ。
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