短編 | ナノ
「目開けて」

体が強張ってしまうような少し怒った、冷たい声。
ゆっくりと目を開けると雲雀さんは楽しそうに口角を上げていた。

どうして、今こんなことになってるのかわからない。
そんな私に構わず雲雀さんの視線が下がる。

「君、校則違反してるんだね」

私の手のひらにあった袋を取ると、ズボンのポケットに閉まった。
咬み殺されちゃうかもしれない、そう考えたのに雲雀さんが受け取ってくれたことに喜んでる私がいる。

「なにその顔」
「すみ、ません」
「だめ」

顔に出てしまっていたようで、顎を固定している雲雀さんの指に力が入った。かと思えば視界いっぱいが雲雀さんになってしまった。







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