短編 | ナノ
猫は彼女の膝に乗ると丸まる。
どうやら、みょうじ なまえは寝ているらしい。

「……」

そっと近付いてみても目を開けない。

「ここにいたんだ」

待っていても現れなかったくせに、ずっと探していたのに、なんだかもどかしい。

「だからこれは罰だよ」

何も知らずに無防備に寝ているみょうじ なまえにキスをした。
なんて、僕らしくもない。

話したこともない君のことを知りたいと言ったら君は笑うだろうか。





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