-Requiem- 嘆きの空 ![]() 悼み、憂えよ。 お前が生まれるまでに 世界は三度滅びている。 □□□□□ おまえがつるぎをふるい なかまをきずつけるなら わたしたちは つめときばで おまえのなかまを きずつけよう (この声すら、きっとあなたには届かない) 4、二極にわかれてしまった世界はバランスを失い、たくさんの争いが起こるのであります。時にはヒトとヒトとが争い、ポケモン同士が争い、傷つけあい、奪いあい。 そして何より、ヒトとポケモンの間に起こった争いほど大きなものはございませんでした。しだいに大地は荒れ果て、世界は幾度となくその身を枯らすのでありました。 □□□□□ ゆるせよ わたしのなかまたちを まもるために だいじなことだ (そしてゆるそう おまえのなかまたちを) 5、始まりも然り、全てのものには終わりがあるものです。争いの愚かさに気付くには遅すぎる程の命が失われておりましたが、ようやく悲劇に終止符がやってまいりました。 のちの奏者は語ります、「二つの分身が祈るとモノというものが生まれた。三つの命が祈るとココロというものが生まれた」。 二つの分身たちは互いに「時」と「空間」を名乗り、世界に万物の理とそれゆえの儚さを説きました。三つの命たちはそれぞれ「意志」「知恵」「感情」を担い、心というものを示しました。 過ちに気付いた生き物たちは、今までの争いを憂い、失った命を悼み、仰ぎ見た空は黒く滲んでいたと言われております。これらの数々の争いと出来事を、彼らは<嘆きの空-レクイエム-〉と呼ぶようになりました。それはもう二度とこのような悲しい過ちを繰り返さないための、全ての生き物たちへの啓示でもあるのでした。 |