Cosmology | ナノ



-Cosmology-
顛末



拝啓、星よ
君によく似た私が
君のよく似た世界で
君の知らない道を歩む



むかしは ひとも ぽけもんも おなじだった
(ひとつという言葉にはたくさんの意味が込められているものです)
 1、さて、昔々のこの世界のいきものがポケモンとヒトにわかれる前のこと、彼らは皆同じく等しく、それは恋人であり仲間であり家族でありました。このいきものたちが二つに隔たれる以前は一体何であったのか、それは今となってはわかりませんが、喜ぶこと楽しむこと、当たり前の生活、それが幸せでした。
しかし──、



つるぎを てにいれた わかものがいた
(終わりを招いたのはどちらでしょうか)
 2、いつどこからなんのためにその災厄はやってきたのか。剣はおそろしく鋭く、どのように硬いものでも大きなものでも、形あるものもないものも、見えないものも見えるものも、たちまちふたつに切り裂くのでした。
 およそ切れないものなどないように、剣の矛先を向けられたいきものたちはなす術もなくこの災厄の前に倒れて行くのでした。(やがて彼らは災厄の本当の意味を知ることになります。)剣によって傷を負ったものたちは大事なものを失っていました。それは「言葉」と「力」でした。



われらは言葉を失った、われらは力を失った
(それはおそろしい永遠)
 3、力を失ったものたちは、後にヒトと呼ばれるようになります。言葉を失ったものたちは(時代によって名前は様々ではありますが)今はポケモンと呼ばれています。
 力を失ったものたちはポケモンを恐れるようになり、身を守るために「武器」というものを作り上げました。それは皮肉にも、己から力を奪った剣そのものによく似ていました。



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