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裏御法度。
副長が掲げた局中御法度とは表のものであり全ての隊士が知っている。
だが裏御法度は表御法度が作られたとき以前からいた隊士達数名がその名の恐ろしさを分からせるために作ったものである。
これはすぐにしたっぱの隊士から副隊長などの上の立場である隊士にまで広がり、それをまた新しく入ってきた隊士にも教えを繰り返してきた。
その結果局内に知らぬものなどほとんどいないとされている。
裏御法度に出てくる人物、一番隊隊長沖田総司、八番隊隊長永倉新八、六番隊隊長井上源三郎、三番隊隊長斎藤一。
そして最後を飾る近藤勇の義弟でありながら局内の雑用を一手に引き受ける近藤なまえ。
そこらの女よりもずっと美しいがそれ故に罪深い。
彼に惚れた男がここに何人いることか。
隊長である者も彼に惚れているのだ。
彼は強く、彼を怒らせるだけでも恐ろしいというのにその美しさと優しさに心を奪われた者達も怒り狂うのだ。
つまり彼を怒らせた者は裏御法度の全てを受けなければならない。
そりゃ死にたくなるくらいのな
顔が青いなー新人。
ちなみにもう一つ教えてやるよ……俺もあの方に惚れてしまった男の一人なんだ。
男色なんざ有り得ないって?お前も生きている間にあの方に会えばわかるさ。
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