2010/06/26 恋人に買い物をして来てもらう話(尾浜SS) 名前はカレンです そしてプロローグみたいな話はこれの冒頭にあります 【尾浜勘右衛門の場合】 携帯を開いたら、既にメールが届いていた。 「今日はどっちで会う?」と送ってきたのは、恋人にして幼馴染の勘右衛門である。 私はリダイヤルから、最近かけた番号の中から勘右衛門の名前を引っ張り出して、通話ボタンを押した。 すぐに繋がる。 『もしもし、どうした?』 「あ、勘右衛門悪いんだけど私調子悪くってさぁ…今日パスにしてくんない?」 『はぁ?何かあったのか?』 「何か…てか生理痛が酷い」 『なっ…!』 「ついでに言うとナプキンの予備がもうないんだわ。だから今日は家から出られない。もし優しい勘右衛門がうちに来てくれるのなら、コンビニで羽根付き買ってきてくれると嬉しいなーなんて思うんだ、け、ど…」 『あほ!女の子がそんなこと口にするなよ!!』 「…あー、やっぱり怒った」 『当たり前だろう!!』 勘右衛門とは生まれた時からの付き合いのせいか、昔っから私のすることには何かと口を出してくる。 遠慮ない物言いはまさにオカン。 という訳で私は今日も怒られた。 さてさて、純情な幼馴染が私のお願いをどうやって聞いてくれるのかしら… 「カレン!」 バン!と遠慮なく部屋のドアを開けた勘右衛門の顔は、誰がどう見ても真っ赤だった。 「勘ちゃん来てくれたのねー嬉しいわー」 「その棒読みやめろって!」 「はいはい。で、優しい勘右衛門は私の為にナプキン買ってきてくれたの?何かやたら早かったけど」 「〜〜〜っ、持ってきたぞ!ほら!!」 え、と思ったらズイッと目の前に差し出されるそれ。 袋の中には私の知らないメーカーのナプキンが、数個入っていた。 パッケージはなし。 「え…まさか勘右衛門、残りは勘右衛門が使っ」 「違うから!お前がないって言うから、焦って…妹に貰ってきたんだよ!!」 「は」 「あぁぁもう全部お前のせいだからな!!」 びっくりする私の前で、勘右衛門は真っ赤になって叫んだ。 ちょっと待って…妹に頼んだって、それ、相手が私だってバレてんじゃん! 「ちょ、何考えてんのよ!コンビニ行ってくれば済むことなのに!」 「外で男の俺が買える訳ないだろ!?下手に近所の人に見られたら、俺の立場がなくなる!」 「そこを上手くやってくれるのが彼氏の役割だって言うのに…!」 「お前彼氏の意味絶対間違えてるから!俺は召し使いじゃないって!!」 私の部屋でギャーギャーと言い合う。 ちなみに窓が開けっ放しだということは後で気付いた。 勘右衛門はやっぱり、彼氏というよりオカンみたいだなぁと思った一日だった。 しかし勘右衛門の妹はどうしよう…しばらく顔合わせにくいけど、お礼は言わなきゃね。 あーもう、全部勘右衛門のせいだ! 結論:尾浜は純情で外で買うなんてことはできない。だから妹を頼るが、それもこれも恋人の為に必死になって、何とかしなきゃと思うからである。 ※※※※※※※※ 終わったー デュエルしてないで寝れば良かった…眠いよう! これでこのお話は終わりです!(^ω^) |