2010/06/26 恋人に買い物をしてきてもらう話(久々知SSと竹谷SS)
名前はカレンです
そしてプロローグみたいな話はこれの冒頭にあります




【久々兵助の場合】

電話で兵助に「ごめん今日無理」と言ったら「俺もうカレンの家の最寄り駅まで来てるんだけど」と言われてしまったのでならこのチャンスを逃すまいと私は兵助にお使いを頼んだ。
どうせくるならナプキン買ってきてと。

突然そんなことを言われて怒るかなと思ったけど、兵助は「わかった」と一言告げると早々に通話を切った。
プー、プー、と鳴る携帯を見つめて私は大丈夫かと心配になる。
何の反論もしなかったけど…本当に買ってきてくれるんだろうか?
これだから天然は時折対応に困るんだよ…いや頼んだの私だけど!

「買ってきたぞ」

何食わぬ顔で家にやってきた兵助の買い物袋(そうだこいつエコバック持参だった)からは、ふつうの日の昼用、多い日の夜用が、それぞれ羽根ありなしで計4種類出て来た。
選択がピンポイントで正確すぎる。
何故だと思って問い質すと、彼はあっけらかんとした口調で言った。

「え?あぁ、どれ買えばいいかわからなかったから、店員に聞いたんだよ」
「店員て…女の人?」
「じゃないとわからないしな。お勧めのメーカーを教えてもらって、とりあえずこれだけ揃えれば大丈夫ですって言われたから、それを買ってきた。何か問題でもあったか?」
「ありまくりだし!!」

あぁぁもう、あそこの薬局には兵助とは絶対に行けない…
きっと今頃、彼氏にナプキン買いに行かせるなんてどんな女だとか思われてるんだろうな。
こんな女だけど!

「あ、ありがとう…トイレ行ってくるよ」
「ん」

とりあえずお礼だけは言い、私は多い日の夜用羽根付きを持ってトイレに向かった。


結論:久々知はわからなくなったら迷わず女性店員に話し掛ける。天然だから恥ずかしいとは思わないのだぁ!




【竹谷八左ヱ門の場合】

メールで「はっちゃんーおなか痛いから今日は家で寝てるねー」と送ったら「すぐ行く」と返事がきた。
まぁそうだろうな、とちょっと思ってた。
はっちゃんは何だかんだ言って凄く面倒見がいいから、私が体調を崩したと言えばすぐに来てくれる。
悪いとは思いつつ、私は今ナプキンを切らしているのでそれも買ってきて欲しいと頼んだら、わかったからゆっくりしてろとのお達しが。
やっぱりはっちゃんは優しい。

「カレン、起きられるかー?」
「うん、大丈夫。そこまで酷くないよ」
「じゃぁこれ、頼まれてたやつ」
「ありがとー」
「ついでにハーブティー買ってきかたら、今いれるな。お腹あっためるにはいいみたいだぞ」
「え、うそ買ってきてくれたの!?」
「カレンが前に好きだって言ってたからなー、こういう時は何かしてやりたいし」
「ありがとう、はっちゃん!好き!」

私がそう言って抱き着くと、はっちゃんは笑いながらそれでも手を動かすのをやめなかった。
そう、はっちゃんは優しいだけではなく、こういうところに意外と気がきくのだ。
私が好きだと言ったものはちゃんと覚えていてくれる。

私はお湯がわくまでに一度トイレに行こうとして、はっちゃんが買ってきてくれたナプキンを手にした。
しかし次の瞬間、私はあっ、と声を漏らし、はっちゃんが後ろからどうした?と聞いてくる。

「はっちゃん、これ頼んでたのと違う」
「え?マジで?」
「私が欲しいの、昼用で良かったのに、これ夜用だよ」
「あー、悪い、後でもっかい行ってくるな」
「ううん、いいよ。とりあえずこれで何とかなるし。ありがとう」

私は少し申し訳なさそうにするはっちゃんに、微笑んで首を振った。


結論:竹谷はパッケージで恋人が使っているメーカーを何となく記憶しているが、昼用とか夜用とか詳しいことはわからないので失敗する。しかしそれ以外は気がきくのでプラマイゼロ。


※※※※※※※
久々知は恥ずかしいと思わないけどつつかれると段々恥ずかしいのかも、と自覚が芽生えそう
ラストは勘ちゃんだ!
ねむい…


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