「許さないっ!」
エレン・フェリスは杖を握る手に力を込めた。
そして、ハリーに必死に縋り付いている醜い男――ピーター・ペティグリューに杖を向けた。
「止めなさい。それは私たちのやるべきことだ」
彼の今の態度に、普段の“親しみやすいルーピン先生”の面影はどこにもなかった。
それに圧倒され、エレン・フェリスは杖をおろし、黙り込んだ。
「おまえは気づくべきだったな。ヴォルデモートがお前を殺さなければ我々が殺すと。ピーター、さらばだ」
ブラックとルーピンが杖を向けていると、ハリーがやめて、と叫んだ。
「殺してはだめだ。殺しちゃいけない」
ルーピンとブラックは驚いてハリーを見た。
その中で、ハリーはこの罪人をディメンダーに引き渡すべきだと主張した。
口論は続いたが、この罪人をアズカバンに入れることを決意した。
かくして、ピーター・ペティグリューは命だけは免れる形となった。
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