各都道府県の陰陽寮支部に向けて送信されるメールには誰がどの仕事をするのか、指示が書かれている。
さて、諒子は主要神社――たまに寺――のほとんどを担当することになっている。
『いやまて、なぜ神社にお祓いなんだ』そう思われるかもしれない。
が、神社やら寺やらというのは実に厄介なのだ。
まず、有名な観光地として人を集めやすい。
そうすると、どうしても悪いもモノも集まってしまう。
特に、神社、寺ではその神聖さよりもむしろ『神頼み』、『仏頼み』が重要視されつつあり、その『お願い』にも「○○が呪われますように」等々、よくないものがあり、余計に危ないのである。
これは神様も仏様も笑止千万だろうが、事実だからしょうがない。
最近、丑の刻参りやら絵馬に呪詛やらが増えていて、関係者を悩ませているのは事実である。
というわけで、とりあえず、人が集まりやすい神社、寺は危ないのだ。
余談だが、オカルトな噂の絶えない某樹海も実は諒子の担当である。
[*前] | [次] | [表紙]