「堺さん堺さん、今日の英語の訳とかやってたりしないですか?しますよね?」
「だから?」
「お願い!みせて!今日あたんの!」
「テメェ……」
「堺、オレもー」
「オレも良いッスか?」
「テメェ等毎週毎週なんなんだよ!」

ばしんっと机に叩きつけるように出されたノートに群がり、必死に写す三人の姿をみて、堺はいつものようにため息を吐いた。
一回、二回、三回とノートを借りて味をしめた三人は、毎週こうして堺のノートを借りて写している。
いい加減甘やかすのを止めよう、と堺自身はは思っているのだが、部長である村越に頼まれてはそうもいかなくなってしまったのだ。

「しかし堺のノートはいつみても綺麗だよなー」
「お前等のが汚いだけだろ」
「にしたってこれは…」
「「女子のノートだな」」
「はあっ?!」

堺は眉間にしわを寄せて、三人を睨みつける。
堀田は口にこそしなかったが、二人の意見に納得しているかの表情をしていた。

「いや、それだけすごいってことで、他意はないですって」
「そうそう」
「はい、堺ノートありがと」

ふつふつと何かが湧き上がってくる感覚があったが、言ったところでどうにもならないと思い、ムリヤリ押し込んだ。


「あ、でも毎回毎回ノート借りてばっかだから今日はなんか奢ったげる」
「弁当あるからイラネ」
「またカロリーかよー」

カロリーばっか気にすんなよ!という丹波の言葉を無視して、堺は受け取ったノートを教科書と一緒に机の上に置いておく。

「まあ、そう言われるだろうと思って準備しといたけど」
「は?」
「なー、石神、堀田」
「授業始まってからのお楽しみってことで」
「お前等一体何しでかす気だよ」

タイミングよく鳴ったチャイムに舌打ちをしつつ席につく。窓から吹く風が心地よい。
先生に指定されたページを開く。
ついでに先程三人に貸したノートを開くと、一枚の写真が出てきた。
刹那、くしゃくしゃに丸めて目の前の丹波の頭に勢い良く投げつけた。


(DV反対!)
(てめぇ……!)







‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
一体何の写真だったのかは皆様の想像にお任せします。
とりあえず堺さんが丹波さんの頭に思わず投げつけちゃうような写真です。


20100723


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