赤崎の馬鹿野郎!と世良は叫びたい気持ちだった。
それもそのはず、後5分で寮を出ないと遅刻になってしまうからだ。
皆勤賞を狙っている世良にとって、遅刻の二文字は重い。
それでも気持ちで留めたのは、叫んでる暇があったら準備をした方が良いのと、普段は自分の方が赤崎に迷惑をかけている――毎朝起こしてもらってる――と多少自覚があるからである。


昨日の練習はキツかった。そのせいか、いつも出発1時間前に起きて準備をしている赤崎が、起きてこなかったのだ。
世良は最低でも体質柄出発20分前には目を覚ます。
目が覚めて部屋の外から何の音も聞こえなかったことを不思議に思い、赤崎が寝ている部屋へ確認しに行った、ら案の定気持ち良さそうに寝ている赤崎の姿があった。

ここまでは良かったのだ。男だし20分もあれば準備は出来る、むしろ余裕、と世良は思っていた。
が、現実は厳しく、赤崎はすんなりと目を覚まさなかったのだ。
いくら20分前だと言っても、大した返答は得られず、何処か夢心地だった。
いい加減キレた世良が、布団を引っ剥がし、赤崎をたたき起こす頃には起きてから既に10分を過ぎていた。

「赤崎テメっ、準備おせーよ!」
「しょうがねーだろ!っつか、だったらもっと早く起こせよ!」
「オレも20分前に起きたんだよ!」
「………ちっ」

いよいよ世良はぶん殴ってやろうと思ったが、如何せん時間がないので、手を下ろす。

「世良さん、ぼうっとしてると置いてきますよ」
「こっちのセリフだっつの!」

部屋を飛び出して階段を駆け下りる。
玄関先で同じように慌てている椿とばったり合流し、学校までの道を夢中で走った。


((椿はえーよ!))





‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
高校生だけど寮とかに住んでる感じで。
赤崎が1時間も前に起きるのは、シャワー浴びたりする為です。
毎日ちゃんと世良を起こしに行くのは寝顔がみたいという下心ありきです。

20100610


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