白蘭とブルーベル


あたし、貴方に出会わなかったら、恋を知らずに死んでいた気がするの。切なさも、愛しさも苦しさも、知らずに。











【ぬくもりは何処】











「好きだよ」
「僕も好き」


馬鹿馬鹿、嘘つき。白蘭は、あたしなんか、好きじゃない癖に平気で嘘を言う。ユニを見てるの、知ってるんだから。でもいいんだ、あたしは嘘でもいいの。

あたしを好きって言う白蘭が好き。今だけは、あたしを見てくれているから気にしない。


「…馬鹿」
「ん?」
「何でもない。好きだよ」


恋は盲目、あたしにピッタリ。恋というぬるま湯なんか似合わない。あたしは、ぬくもりを知らずに白蘭を愛して死ぬ。滑稽な喜劇には、その位のラストがいい。











end
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