桔梗とブルーベル




夜な夜な、大人達の集まるこの場所は、柄の悪い奴等の吹き溜まりなのか余りイメージが良いともいえなく。多くのマフィア情報を入手できる点では、悪いとも、いえなかった。
その中のとある一角で、一際賑わいと、人が絶えない場所が合った。
其処では何かしているらしく、男の強い掛け声と、女の黄色い声が、一つのテーブルの回りを取り囲んで飛び交っていた。
そんな人溜まりの中に入っていけば、そこには、微笑み、優雅に構えながら、見慣れない男とトランプ勝負をする、桔梗の姿が目に入った。
少し、むくれた顔で勝負事を人影に隠れ、変装が見つからないように遠くから見つめていたら、視線が合った。
すると、何故かクスリと一つ笑われた


「にゅ、まさか、ばれてないよね」


冷や汗を垂らしながら、小声でボソボソと呟いていたら、いきなり、真横で盛大な拍手が響き渡った。
どうやら勝負がついたらしい、キョロキョロと見渡すと机の回りを取り囲んでいた見物人達は、見慣れない男の仲間らしく皆そっちに流れていった。
その脇から桔梗が出てくるのが見え此方に向かって来るのが分かり思わず顔を背け、真後ろにあるバーのカウンターに座った、飲み物を頼み飲もうとしたら隣から突如声が聞こえてきて、思わず息を呑んだ。


「お嬢さん、先程の勝負はどうでしたか」
「知らない見てないもん」
「でも、視線合いましたよね」「あれは、違うもん、貴方を見てた訳じゃないもん」
「そうでしたか、しかし良くにてますね」
「誰に」
「私の良く知ってる方にですよ」
「も、もしその知ってる人がここにいたら」
「そうですね、まずしつこく問い詰めて、それから」
「それから」
「いえ、何でもありませんよ」

どうやら見破られてはないみたいだなんて、ほっと安心していたのもつかの間、意味ありげな笑みを零しながら隣で優雅に飲み物を啜る桔梗の姿に、この時既に、見破られていたなんて、思わなかっただろう。




ハロー未成年者


end


ルージュは要らない様へ

このような素敵な企画サイト様に初参加させて頂けるとはこの上ない光栄です。
拙くかなり意味不明な文章ですが、もらって頂けるととても嬉しいです。
ありがとうございました
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