※幼馴染設定


「……ハァ…」

沢田綱吉は悩んでいた。

理由は自分のベッドで眠っている少女だ。

数時間前に遡る…



「今日は覚悟を決めて来たの」

「は?」

ある日、幼馴染であるブルーベルがツナの家を訪れた。
連絡も無しで突然訪れるのはいつもの事だが、今日は様子が違っていた。

「ツナは“草食男子”と“肉食女子”って知ってる?」

「まぁ、最近よく聞くけど…」

「それで私決めたの!このままじゃダメだって!」

「羊のツナをずっと待っててもダメだから、私が狼にならないと!」

「羊!?羊って何?」

「やっぱり恋は積極的じゃなきゃ!」

「ねぇ!羊…って、恋!?ブルーベル、恋してるの?」

「うん…」

話題が変わったと思えば、自分を“羊”に例えられてツナは訳が分からなかった。
更に、ブルーベルの口から“恋”という言葉が出て驚いた。意外だった。
何せ彼女は部活(水泳部)に青春を費やし、恋には興味が無いと思っていたからだ。
そんなツナも普段は周りから『ダメツナ』と呼ばれている為、恋愛などに縁も無く恋人もいない。

「それでね、ツナ。あ、あのね…」

「?」

彼女はらしくもなく頬を赤らめ、モジモジしている。

「……私ね…」

「……」

「ツ、ツナのことが…好きなの…」

「……は!?」

「だから!ツナのことが好きなの!!」

ツナの思考はフリーズした。何かと思えば告白で、しかも自分に。

「ウソでしょ!?」

「ニュ!?ホントだよ!小さい頃から好きだもん!」

幼い頃から彼女に冗談を言われる事が多かったツナには、この告白がウソとしか思えなかった。

「絶対ウソだよ!いつもの冗談でしょ?」

「ニュ〜!ホントだもん!ホントにツナのことが好きなの〜!」

騒ぎ出し半ば泣き顔でポカポカと叩いてくる彼女に、ツナは戸惑いを隠せなかった。
その後、ブルーベルは拗ねてツナのベッドで眠り始めた。



そして今に至る…

未だ半信半疑のツナは先程の告白を思い出し、顔を真っ赤に染めた。

(黙っていれば可愛いのに…)

自分のベッドで眠る彼女に対し、ツナは不覚にもそう思ってしまった。

(って、オレは何を考えてんだ!)

ブルーベルが目覚めた時に、何と話し掛けるべきかツナは悩んだ。
混乱した頭の中でこの言葉が浮かんだ。


『おはよう狼さん』

ここから始まった
鈍感ヒツジと
恋するオオカミの
物語

End


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