白蘭とブルーベル


あたし、そんな大層な事を望んでる訳じゃないんです神さま(実は無宗教だけど今だけはお願い!)あの人の隣にいたいだけなの。

お願いはそれだけ。











【この指を選んで欲しい】











「びゃくら、」


後に続く言葉を、あたしは静かに飲み込んだ。あぁ…また、だ、凄く腹ただしい、あの目をしてる。そう、あの子を見る時だけの、優しい目。

狡い、羨ましい、妬ましい、殺してやりたくなる、色んな気持ちが混ざり合って涙が頬を伝う。違うの、お願いはひとつだけ。あたしだけを見て欲しいだけなの。

隣には、あたしがいれば良いの。この手を握って、あたしだけに笑いかけてよ。その為なら、あたしは何だってするんだから。


「もう、汚いもん」
「ブルーベル?」
「…んーん、何でもない」


汚れた手を、あたしを、愛して。貴方の為なら何だって出来るんだから。人を殺すのも躊躇ったりはしないから、だから、











end


(どうか、)(離さないで)

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